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競艇のモーター勝率の見方を解説!予想の活かし方&お化けモーターランキングを公開

競艇 モーター 勝率
競艇基礎情報/攻略法

競艇の予想展開においてモーター(エンジン)の見極めはとても重要で、レース結果を大きく左右するとても大事な項目です。

出走表のモーター成績の見方、目安は以下の通りです。

2連対率モーター評価
~39%悪い、あまりよくないモーター
40~49%普通、少し良いモーター
50%~良い、エースモーター(超バツモーター)

モーターは全国どこのレース場でも基本同じ仕様のモノが使われ、競艇場の整備士さんたちによって整備管理が徹底されていますが、工業製品としての個体差があるのもまた事実です。

競艇のモーターを知ることは舟券予想の第一歩!

この記事では、モーターの基礎知識、勝率の見方、見るべきポイントを詳しく紹介しておりますので是非参考にしてみてください。

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競艇(ボートレース)のモーターとは?

引用元:ヤマト発動機サイト

競艇では推進力の基となるエンジンのことをモーターと呼びます。

このモーターを動力としてプロペラ(スクリュー)を回転させたことでボートを進めています。

競艇ではこのモーターの性能がレースに大きな影響を与えることになるので、当記事の説明を理解いただきモーターを知ることで舟券予想に役立てましょう。

モーターには性能差がある

現在競艇に使用される機材、ボート(艇本体)とモーターを供給しているのはヤマト発動機1社のみです。

公営競技としての公平性を維持するために、全ての製品が同一規格で製造されており、製造管理も徹底的に行われているため仕様(スペック)上での性能差はありません。

しかし、工業製品として起り得る範囲内での個体差や、使用しているうちに生じる摩耗や整備状況の違いによって性能差が出てきてしまいます。

現在使用されているモーターの仕様スペックは以下の通り。

ヤマト300型モーター
水冷式2サイクル縦型直列2気筒
排気量396.9CC
出力31馬力(6600回転/1m)

モーターの性能差はレースでの勝敗を大きく左右してきますので、とても重要な部品としてプロペラや整備状況と併せてしっかりと理解していきましょう。

モーターは各競艇場の持ち物

モーターは年に一回決められたタイミング(競艇場ごとに異なる)で入れ替えられ、各競艇場で保管、管理を行います。

各競艇場には約60機のモーターが常備され、その中から50機程度が実際のレースで使用されます。

以前は「持ちペラ制」といって、スクリュー部分は選手の所有物として選手自身が管理保管を行っていましたが、現在は「オーナーペラ制」といって、モーターとセットで競艇場の保管管理となっています。

画像は競艇場のモーター整備室

引用元:ボートレース公式サイト

モーターの管理方法について

レースが開催されていないときには厳重にセキュリティがかけられた保管庫にしまわれており、各競艇場の整備士(施行者の職員、および、ヤマト発動機からの出向社員の方々)によってメンテナンスが施されています。

モーターには「モーター番号」が1基ずつ各競艇場によって付けられており、モーター番号で管理がされています。

引用元:ボートレース公式サイト

モーター勝率(詳しくは後述)が悪い個体は、レースの非開催日に競艇場の整備士によって整備が加えられることがあり、それを「中間整備」と呼んでいます。中間整備はレースの解説などでもよく使われる言葉なので、覚えておくとよいでしょう。

選手が使うモーターは前検日の抽選で決まる

選手はレースの前検日にガラポンを使ってモーターの抽選を行い、そのレース期間中に使用するモーターを決定します。

選手はレースの前検日にガラポンを使ってモーターの抽選を行い、そのレース期間中に使用するモーターを決定します。

引用元:ボートレース公式サイト

この時にはどの選手も、より勝率の高いモーター、素性の良いモーター、自分好みのモーターを引き当てられるように願っています。

なかには抽選のためのお守りを持参したり、以前に良いモーターを引き当てたときのジンクスを使う選手もいるくらい、選手にとって大切な儀式となっています。

競艇のモーター勝率の見方について

先ほどから何度か出てきた「モーター勝率」や、「モーター番号」など、予想紙や出走表に書かれたいくつかの情報から、モーターの成績や性能を判断する方法について説明していきます。

舟券予想にとっては重要な要素となりますのでしっかりと理解をしていきましょう。

出走表にはモーターの成績が示されている

「モーター勝率」はその名の通り、モーターの成績を表す数字となります。

出走表には「モーター番号」「2連対率」「3連対率」が記されています。

「2連対率」は2着までに入った確率、「3連対率」は3着までに入った確率を表しており数字的な判断要素は以下の表のようになります。

2連対率モーター評価
~39%悪い、あまりよくないモーター
40~49%普通、少し良いモーター
50%~良い、エースモーター(超バツモーター)

超バツモーターとは「超バツグンに良いモーター」を意味しており、略して「超バツ」といわれることもあります。

ただし、ここで注意していただきたいのが、モーター勝率は強い選手(A1級など)が乗るほど数字が上がりやすく、反対に新人選手や女子選手(B級)が乗ると下がりやすくなりますので、これまでに誰が使用していたかにも気を配らないといけません。

モーターは競艇場ごとに1年間の使用期間がありますので、おろしたてのモーターなど使用期間が短いとあまりあてにならない場合がありますのでご注意ください。

競艇のモーター情報を予想に活かす方法

モーターが舟券予想にとって重要なことはご理解いただけたかと思いますので、ここからは具体的に舟券予想にモーター情報を活かす方法についてご説明してまいります。

モーターの足は全部で4種類

選手コメントや解説でも頻繁に使われる「出足」「行き足」「伸び足」「まわり足」はいったいどんなことを表しているのかを下記の表にまとめました。

出足初速
行き足中間速
伸び足最高速
まわり足ターン

イメージしやすいのは自転車やクルマのギア。

出足は1速など軽いけど直ぐに回転が上がり過ぎて速度が乗らない状態。

反対に伸び足は5速とか最初は重たくてゆっくりとしか加速できないが速度が乗ってきたら速い状態。

「出足型のモーター」や「伸び型のモーター」など、モーター本体が持っている個体特性もあれば、プロペラの形状を叩きかえることで選手が好みや戦略に併せてセッティングすることもあります。

主にイン戦を得意とする選手は「出足」と「行き足」を重視し、アウトからのまくりを狙う場合は「伸び足」を重視することとなります。

両者ともに共通して求めるのは、ターンのしやすさや安定感に現れる「まわり足」です。

モーターと「選手」の相性を考慮する

多少のセッティングによってモーターの足を特定の速度域に調整することは可能ですが、本来のモーターが持っているポテンシャルがあまりにも偏っている場合は、選手が整備で悩むことになります。

例えば、モーター自体のポテンシャルが伸び型で、前節そのモーターを手にした選手がまくり屋だった場合、次の節でイン屋の選手がそのモーターを引き当てたときは整備に苦戦することが予想できます。(反対のケースも同様です)

特に節間の初日や前半では整備が進まず、実力上位選手であっても着外に沈んでしまうことがよく見られます。

予想する際は、前節どのタイプの選手が使用したモーターなのかもチェックすると良いでしょう。

モーターと「コース」の相性を考慮する

選手のスタイルと同様に、どのコースからスタートするのかも、モーターの足の特性によって見極めが必要になります。

アウトコース戦(4〜6コース)でダッシュスタートなのに「出足型モーター」だと後半の伸びが足らず「まくり」や「まくり差し」に届かないことが予想されます。

反対にインコース戦(1〜3コース)でスロースタートなのに「伸び型モーター」ではイン逃げが難しいと予想することができます。

2連率50%以上のモーターは超バツモーター

通常モーターの上位級は2連対率で40%以上と言われていますが、中には50%や60%を超えるモーターも存在します。

高い数字をマークする要因として考えられるのは次の理由です。

  • 前節まで実力上位の選手が多く乗っていたため
  • 前で走ることが多いため水を被らずモーターの調子が維持されている

もし、前節までの使用選手にB級が多く含まれていたにも関わらず、40%や50%を超える「2連対率」を示すモーターがあれば間違いなく「超バツモーター」あるいは、記事の後半でご紹介する「オバケモーター」の可能性が高いです。

また50%以上の数字をキープしているなら、「出足型」や「伸び型」など特徴のハッキリとしたモーターではなく、全体的にバランスの取れたモーターであり、特に「まわり足」が良いモーターだと判断することができますので、乗り手を選ばず着に絡む可能性が高く、高配当を狙えそうです。

各競艇場のエースモーターと入換時期をチェック

ここでは2024年9月15日時点での各競艇場のモーターをチェックしていきます。

それぞれ「2連対率」トップのモーターのみご紹介いたしますので、モーター番号は是非覚えておきましょう!

競艇場モーター番号2連対率入換時期
桐生51号機48.1%2023/12/28
戸田55号機65.2%2024/08/03
江戸川23号機57.7%2024/05/04
平和島24号機65.3%2024/06/13
多摩川45号機46.3%2024/04/11
浜名湖59号機47.3%2024/04/16
蒲郡24号機75.7%2024/07/16
常滑34号機45.6%2023/12/13
22号機44.1%2023/12/16
三国64号機46.6%2024/02/28
びわこ62号機51.6%2024/04/23
住之江36号機50.9%2024/03/15
尼崎4号機51.5%2024/04/23
鳴門2449.5%2024/04/02
丸亀745.3%2023/09/25
児島6344.0%2023/12/01
宮島1542.5%2023/10/17
徳山2750.5%2024/06/01
下関1147.5%2024/03/12
若松4444.5%2023/11/17
芦屋2347.8%2024/04/11
福岡1850.4%2024/02/20
唐津1290.0%2024/09/01
大村1255.0%2024/06/19

入換時期が直近だったモーターの連対率は高くなる傾向がありますのでご注意ください。

入換時期から3ヶ月以上、できれば半年以上経過した勝率は信頼度が向上します。

また超バツモーターは、「超抜モーター.com」で確認することもできますので、活用してみるとよいでしょう。サイトの詳しい使い方については以下で解説していますので、読んでみると良いでしょう。

伝説のお化けモーター3選

ここまでご説明した通り、統一規格で徹底管理されているはずのモーターも、様々な要因で個体差が生じ、勝てるモーター、勝てないモーターに分かれていくことをご理解いただけたと思います。

どの競艇場にも「エースモーター」や「超バツモーター」と呼ばれる好調機は必ず存在しますが、数年に一度、いや十数年に一度、理解を超えた誰が乗っても優勝戦まで勝ち進めるようなモーターが存在します。

そんなモーターは、誰が名付けたのか知りませんが畏怖の念を込めて「オバケモーター」と呼ばれています。

ここでは過去に存在した「オバケモーター」を3選してご紹介いたします。

ボートレース戸田の44号機

ボートレース戸田にある、44号機の1年間の通算成績は以下の通りです。

優出14回
優勝8回
勝率6.97
2連対率59.19%

※優出とは?

優出

1節は予選から始まり、予選を勝ち進んだレーサーによる準優勝戦、そして優勝戦が開催される。優出とは節の最終日に開催される優勝戦に出場することをいう。
引用:BOAT RACE「BOAT RACE GUIDE」

とにかく伸びるモーター、優出回数14回に対して8回の優勝実績は、優出すれば半分以上が優勝してしまうまさに「オバケモーター」の名に相応しい1台でした。

伸びの凄まじさが語られることのが多い44号機ですが、本来あわせ持つことに矛盾が生じるはずの出足も群を抜いて良く、インからスタートを出遅れてもしっかり態勢を取り直し、本来の底力である伸びも活かして先マイを放てる真の伝説モーターでした。

ボートレース平和島の36号機

ボートレース平和島の36号機の1年間の通算成績は以下の通りです。

優出14回
優勝5回
勝率7.55
2連対率64.0%

優勝回数こそ戸田44号機におよばないものの、その他の数字では平和島36号機が大きく上回っています。

このモーターのエピソードとして、元から素性自体は悪くなかったモーターですが、ある節間で36号機を手に入れた「松村昌子選手(引退)」が転覆したことをキッカケに大幅な整備を敢行。するととんでもない性能を発揮しだし、節間では松村選手、転覆レース以外オール1着で優勝戦に進出し、本番では2コースから一気のまくりで、松村選手にとって初優勝をもたらせた逸話が有名です。

ボートレース丸亀の64号機

ボートレース丸亀の64号機の1年間の通算成績は以下の通りです。

優出7回
優勝4回
勝率不明
2連対率53.7%

この通算成績を見ると先の2つに比べて物足りなく感じる方もいらっしゃるかと思いますが、実はこのモーター元の素性がワースト中のワーストモーターで、廃棄寸前の超ダメモーターだったのです。

初おろしから6節目までは複勝率ですら10%を切るような成績で、A級選手がどれだけ整備しても一向に変わる様子を見せなかったため、廃棄覚悟と丸亀の大川正詞整備士長の判断で、過去のエース機のキャリアボディを移植したところ激変したそうです。

そんな超ダメダメ時代の成績も含めての結果なので、先の2つにはおよんでいませんが、恐らく真の「オバケモーター」はこの丸亀63号機にこそ相応しい名前ではないでしょうか?

まずは丸亀64号機の残した競艇界に燦然と輝く記録。

ボートレース史上1位の記録となるのは、55レース連続3連対の記録で恐らく今後抜かれることはないだろうといわれています。

競艇のモーターに関する豆知識

ここではレースでよく聞かれるモ-ター整備に関わる豆知識などをご紹介していきます。

現在のモーターは全てヤマト発動機製

現在、ボートレースに使用されるすべてのモーターはヤマハ発動機のものです。

過去には様々なメーカーのモーターが使用されていました。

競艇の黎明期である昭和20~30年頃は、「キヌタ内燃機製作所」「ミクロ製作所」「国際競艇興行(のちのヤマト)」アメリカ製の「エビンルート」や「マーキュリー」などがしのぎを削っており、同じ競艇場でも複数仕様の異なるモーターが使用されていました。

その後1960年代に入ると、ファンから高速化を希望する声が多く、自動車のフェラーリやベンツのエンジンチューナーとしても有名なドイツの「ケーニッヒ」などがテストされましたが、選手からは速すぎて危険だとの声も多く、日本でケーニッヒの代理店を請け負っていた「フジモーターボート」の「フジ型」モーターが使用され、その後、公平性と、選手による整備性を考慮した結果「ヤマト」のワンメイクモーターとなり現在に至ってます。

モーター整備と交換部品

レースを観ていると出走表や実況などで耳にする「モーター整備」選手の多くは節間で良い成績を残すために、自分の好みやスタイルに合ったセッティングを行いますが、モーターが好調ならば本体整備は行わず、プロペラの調整だけが整備となります。

しかし、あまりにもモーターが不調だったりした場合、選手自身が大幅な整備に取り組むことがあり、交換された部品は出走表に記載されアナウンスが必ず行われます。

整備の理由

①モーターが不調
②転覆など事故による故障

の二点が主な整備理由です。

交換できる部品は、

  1. ピストン
  2. ピストンリング
  3. シリンダーケース
  4. ギアケース
  5. キャブレター
  6. 電気系統一式
  7. キャリアボデ-
  8. クランクケース
  9. プロペラ

の9点。

いずれも交換に際しては競艇場の整備士へ許可を得なければなりません。

また、整備を行う際は、選手自身単独で行わなければならず、うっかり手伝ってしまうと重要な整備違反でペナルティの対象になります。(転覆時や次のレースへの出走時間に間に合わない場合は特例として同支部や仲の良い選手に手伝ってもらうことが認められます)

交換部品は、新品部品の場合と、過去に使用されていた上位モーター(成績の悪いモーターは廃棄処分)中でもエース級のモーターは部品取り用として保管されており、その部品(中古)を使用することも可能です。

新品よりも、部品同士の摩擦が生じる内燃機では「あたり」といって馴染んでいる部品の方が良いケースも多いので、多くの選手はバラした部品からの交換を行うことが多いです。

上記の交換可能部品の中でも7番と8番は整備交換にとても時間がかかるため、出走表などでクランクケース交換などの情報を目にした際は、かなり深刻な状況だと判断しても良いでしょう。

また「オバケモーター」の章でご説明した通り、モーターは部品交換によって劇的な変化を示すことがあるため、昨今ではベテラン選手による「セット交換」(交換できる大半の部品を全て交換することで、別モーターにする意図)が問題になり、一部のレースでは「セット交換」に関してルールが設けられたりしています。

いずれにしても、いままで何気なく見逃していたモーターの情報からも舟券予想のヒントが多く隠されていることに気付いていただけたら幸いです。

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モーターの見方まとめ

人間に例えれば心臓にあたるモーター。

モーターが悪いといくら選手の技能が優れていても勝つことは容易ではなくなります。

この記事を最後までご覧いただいたみなさまには、是非今後モーターに注目し、色々な状況を判断する材料に使っていただき、舟券予想に活かしていただくことを願っております。

①モーター勝率
競艇界の様々な情報をデータベース化したサイト「艇国データバンク」にて、各競艇場の現在の使用モーターの情報が見られますので、エースモーターとワーストモーターは確認しておくとよいでしょう。

②モーターの足特性と選手のスタイルのマッチングをチェック

まくり屋に出足モーター、イン屋に伸び型モーターは猫に小判になる可能性があるので、単純にモーターの勝率だけをみて安心しないようにご注意ください。

この記事の監修者
佐々木 雄介
競艇予想サイトNAVI 運営責任者【北村 功平】
1978年 2月11日生まれ。一橋大学卒業。大学時代から競艇にハマり、そのまま好きが高じて某スポーツ新聞社に入社。競艇をはじめ、競馬や競輪関連の記事を長らく担当。生粋の競艇好きで、休みの日もビールを片手に全国の競艇場に姿を表す。競艇を愛して22年、彼以上の競艇知識を持つ人間にはほとんど出会えない。競艇予想サイトNAVIでは全体監修を担う大黒柱。
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