舟券の正式名称は「勝舟投票券」と言います。公営ギャンブルの競艇(ボートレース)でレースで賭ける場合に、着順を予想して投票(購入)し、結果に即した配当を得ることができる券です。舟券は全部で7種類あり、それぞれに特徴があり当て方などが違ってきます。
【基本】舟券は狙う配当や的中率で種類を選ぼう
舟券の種類の特徴を簡単に言うと、「的中しやすい」、「的中しにくい」、「払戻金が低い」、「払戻金が高い」に分類することができます。当たりやすい舟券は配当の払戻金も少なく、当たりにくい舟券は配当の払戻金も高くなります。
自分の財布事情の予算や性格を考慮して、さらには狙う配当金や的中率も考えながら、どの舟券の種類にするべきかを考えるわけですね。
当てることが好きな人、外れることにストレスを感じる人、高額の払戻金を狙いたい人、その人の事情や状況によって千差万別の舟券の購入方法があるのです。
ネット投票(テレボート)の使い方や活用方法は、競艇のネット投票のやり方と活用法&デメリットで詳しく解説しています。
7種類の舟券の賭け方とそれぞれの的中率を解説
舟券(勝舟投票券)には7種類の賭け方ありますが、1艇を選ぶものと2~3艇の組み合わせを選ぶものの2パターンとなっています。
単勝(単勝式)
複勝(複勝式)
ワイド(拡大2連勝複式)
2連単(2連勝単式)
2連複(2連勝複式)
3連単(3連勝単式)
3連複(3連勝複式)
2~3艇の組み合わせを選ぶものはその着順まで当てるという難易度が高い舟券もあります。
当たりやすい舟券はオッズも低いので配当の払戻金も少なくなりますが、組み合わせの着順を当てるものは難易度が高く的中率も低めなのでその分オッズが高くなり配当の払戻金も高くなります。
また舟券の種類以外の競艇で見るべきポイントについては、競艇初心者が勉強するべき8つのポイントで解説しています。
賭け方①:単勝
単勝(単勝式)は1着でゴールする艇を当てる舟券になります。非常に分かりやすくてシンプルな舟券ですよね。
単勝の的中率は16.6%
競艇は6艇で競争するレースなので単純に的中率は1/6となります。16.6%でサイコロの目が出る確率と一緒ですね。
ただ、競艇は1コースの艇が非常に有利で勝率が最も高く、1コースの単勝が当たる確率はおおよそ50%前後と言われています。もちろん競艇場や出走するボートレーサーによって勝率は変わりますが、1コースの艇の単勝を購入し続ければ2回に1回は的中すると言われています。
これだけ聞くと競艇で簡単に儲けられそうに思われますが、単勝はその当たりやすさからオッズもかなり低くなります。特に1号艇や2号艇の1コースに入りやすそうな艇、ベテランの勝率の良いボートレーサーなどは人気が集中しオッズ(配当)は非常に低めとなり、当たっても儲けが少なくなってしまいます。
シンプルに1着を狙うので初心者に人気!
当たってもオッズは低く儲けは少ない単勝ですが、シンプルに1着だけを予想することができるので初心者には人気の舟券です。
どんな複雑な予想をしても、舟券が当たらなければ意味はありませんからね。
初心者の方はまずは単勝の舟券を買ってみて、的中させる快感を味わってみてくださいね。
賭け方②:複勝
複勝(複勝式)は、1着か2着に入る艇を当てるという最も的中率が高い舟券です。つまりは、選んだ艇が1着でゴールしても2着でゴールしても当たりとなります。
※複勝はボートレース場や電話投票やオンライン投票なら購入することができますが、ボートピアや場外発売場では購入できません。また、ボートレース場でも複勝式の舟券は専用のマークシートに記入して購入する必要があり、専用マークシートは場内のどこにでも置いてあるわけではなく、専用窓口に用意されているケースが多いです。複勝式の舟券を初めて購入する場合は最初から係員などに聞くのが手っ取り早いです。
複勝の的中率は33%
複勝の的中率は単純に考えると1/3で約33%と高確率です。さらに単勝式の時にも説明しましたが、競艇は1コースの勝率がかなり高いので、1コースに入りやすい1号艇や2号艇の複勝の的中率は非常に高くなります。
最も当てやすい舟券なので配当も低い
複勝の的中率は1/3と最も当てやすい舟券なので、予想が当たる楽しさを気軽に味わうことができる買い方です。
しかし、当たりやすい反面オッズが非常に低いので、的中時の払戻金額も投資額とあまり変わらないくらい低いのが特徴です。1.0のそのまま投資額払い戻しや1.1倍という数字も良くあることです。的中だけを楽しみたい方や、大穴の艇に賭けてみたい時などには有効な舟券かもしれませんね。儲けたい方には向いていない舟券です。
賭け方③:拡連複
拡連複(拡大2連勝複式)は、1着から3着までの2艇を順位にかかわらず当てる舟券です。選んだ2艇が、1-2着、1-3着、2-3着のどの順位でも当たりとなります。滅多にないですが、3着が2艇以上同着の場合は、3着どうしの組み合わせは除かれます。競馬だとワイド馬券と言われている買い方ですね。
競艇と競馬の勝ちやすさについては、競艇と競馬はどっちが勝ちやすい?で詳しく解説しています。
拡連複の的中率は20%
拡連複の的中率は3/15、つまり1/5の20%となります。6艇のうち3着以内に入りそうな2艇を選び、その2艇の両方が3着までゴールして的中となります。的中率は高めの舟券です。
配当は低いが人気の舟券
拡連複も的中率が高いために配当は低めのオッズになる舟券です。ただ、単勝や複勝よりはオッズが高くなりますので、初心者から初めて単勝や複勝よりも少し刺激を味わいたくなった頃にオススメの舟券となります。2艇を選ぶので予想方法も複雑になり、さらには単勝や複勝よりもオッズが高いので、的中した時の払戻金も多く、その分当たった時の喜びも大きくなります。初心者~中級者向けの舟券ですが、ベテラン舟券師の方でも好んでこの舟券を買う人もいます。
賭け方④:2連複
2連複(2連勝複式)は、1着と2着に入る艇を順位にかかわらず当てる舟券です。選んだ2艇が1-2着でも2-1着でもどちらでも的中となります。
2連複の的中率は6.6%
1着と2着にゴールをする2艇を当てる2連複の的中率は、1/15と6.6%の確率となっています。単勝や複勝、拡連複と比べると難易度がかなり上がって的中しづらい舟券です。ただ、1着と2着の順番は関係ないので、この2艇なら間違いないというようなレースで買いやすい舟券となります。
2連複のオッズについて
2連複は、単勝や複勝や拡連複よりもオッズは高くなります。2連単や3連複や3連単よりはオッズは低めになるので、7種類ある舟券の中でもちょうど真ん中くらいの難易度とオッズになっています。また、1着と2着を選ぶという分かりやすい舟券ですので初心者でもチャレンジしやすいです。
賭け方⑤:2連単
2連単(2連単勝式)は、1着と2着にゴールする艇を着順通りに当てる舟券です。2連複と似ていますが、着順をそのまま当てるので2連複よりも難易度は跳ね上がりオッズも高い配当が飛び出すことが多いです。競馬で言うと馬単という馬券と一緒ですね。
2連単の的中率は3.3%
2連単の的中率は1/30で2連複のちょうど半分となる約3.3%です。7種類ある舟券の中でも的中するのが難しい部類の舟券です。
過去には57万円の払戻しがあったことも
2連単で過去最高の高配当はの払戻金は579,900円です。とんでも無い数字ですよね。
2016年5月24日にボートレース芦屋(芦屋競艇場)で開催された一般戦の「熊本地震被災地支援競走MBP嘉麻オープン4周年記念」でこの記録が飛び出しました。1号艇にA1級の福来剛選手、2号艇~5号艇にB1級の選手、6号艇にB2級の新開航選手という出走レースで、当然のようにベテランA1級で1号艇の福来剛選手に票が集中します。しかし、1位でゴールをしたのは、もっとも階級の低く若干20歳の超若手である6号艇の新開航選手でした。そして2位は2番目に若い4号艇の磯村匠選手と、大荒れに荒れたレースとなりました。
そして驚くべき事に、3連単の払戻金は226,310円で、2連単の払戻金のほうが高かったのです。3連単より2連単のほうが高くなるという非常に珍しい結果となりました。
賭け方⑥:3連複
3連複(3連複勝式)は、1着と2着と3着にゴールする艇を着順にかかわらず当てる舟券です。2連複よりも3着が加わる分、当たりづらくなり高配当が期待できる舟券となります。
3連複の的中率は5%
3連複の的中率は1/20で5%となります。3艇を選ばなくてはならないので一見難しそうですが、2連単よりも確率は当たりやすくなっています。
比較的高めの配当が狙える
1着から3着に入る3艇を予想する買い方の舟券です。高配当の出やすい3連単や2連単よりは当たりやすい分、オッズは低くなりますが、比較的高めの配当払戻金が狙える舟券です。3着以内に大穴の艇が入ってきたりするレースでは、万舟券が出たりもします。
賭け方⑦:3連単
3連単(3連勝単式)は、1着と2着と3着にゴールする艇の組み合わせをピタリと着順通りに当てる舟券です。非常に高難易度で当てづらい舟券のためにオッズも高く高額の払戻金に一番期待が持てます。
3連単の的中率は0.83%
3連単の的中率は1/120で単純計算だと約0.83%となっています。3連複の6倍当たりにくい舟券となっています。
歴代で最も高配当な払い戻しは68万円
3連単の歴代最高の払戻金は682,760円です。2011年5月22日にボートレース徳山(徳山競艇場)で開催された一般戦「東日本大震災被災地支援競走スポーツ報知杯争奪戦」の5日目2Rで起きました。このレースは競艇ファンの中でも伝説的に語られていて、断トツ1番人気の1号艇鳥飼眞選手が転覆、3号艇田村美和選手と6号艇倉田郁美選手がフライングによる失格で3艇が消えるアクシデントが発生し、断トツで人気が無かった4号艇今村賢二郎選手が1位でゴールするという波乱まみれのレースとなりました。これは相当荒れたレースですね。アクシデントも重なる時は重なるんですよね。
【応用編】覚えておくと便利な賭け方を3つ紹介
ここからは舟券を購入する際に覚えておくと便利な用語や舟券の買い方を、応用編として記事にしてまとめていきます。初心者の方は舟券の種類と共に下記も覚えると、舟券の買い方にも幅が出てきて、ボートレースがもっと面白くなりますよ。是非覚えてみてくださいね。
ボックス買いとは
ボックス買いとは、舟券の種類に合わせて選んだ全ての艇同士の組み合わせを自動で選択してくれる買い方です。
例えば、3連単の予想をしたけれど買いたい艇は5艇ある場合に全通り購入すると60通りになります。この60通りを一つ一つマークシートで書いていくのは面倒ですよね。ボックス買いを選択するとこの60通りを自動で全てチェックしたのと同じ扱いになります。
流し買いとは
流し(流し買い)とは、特定の艇を軸に決めて複数の組み合わせを購入する買い方です。
軸になる艇は決まっているけれど、他の艇が決まらないという時などに使用します。
例えば、2連単で3号艇を軸と決めて流し買いをすると「3-1」「3-2」「3-4」「3-5」「3-6」の5通りの舟券になります。
3連単の場合は3から流す場合は「3-全通り-全通り」、3-1から流す場合は「3-1-全通り」となります。
これもボックスと一緒でマークシートの全てに記入するのは大変なので、流し買いを選択することでこの買い目を自動でチェックしたのと同じ扱いになります。
フォーメーション買いとは※インターネット投票のみ
フォーメーションはボックスと流しの中間のような買い方です。最も自由度が高い買い方ですので、このフォーメーションを理解すれば流しやボックスもできるようになります。
例えば、1着は1号艇か2号艇、2着は1号艇か2号艇か4号艇、3着は5号艇か6号艇という予想をした時に、買い目は「1-2-5」「1-2-6」「1-4-5」「1-4-6」「2-1-5」「2-1-6」「2-4-5」「2-4-6」の8通りとなります。これは頭では分かっていても個別で購入すると忘れてしまいそうですよね。このような少し複雑な予想をして全通りチェックしてくれるのがフォーメーションの買い方となります。
※ただし、実際のボートレース場(競艇場)にはフォーメーション用の投票カードは存在しないので、インターネット投票でしか購入できません。ボートレース場では『ながし/ボックス 投票カード』で代用しましょう。
初心者におすすめの賭け方は着順縛りのない舟券
初心者がボートレースを始めて、最初に迷うのはどの種類の舟券を購入するべきかという問題です。ズバリ初心者にオススメなのは「着順縛りの無い舟券」です。
つまり、「複勝」「2連複」「3連複」「拡連複」の4つの舟券となります。
この中でも「複勝」「拡連複」から始めると、舟券が当たる快感を感じながらボートレースへの造詣を深めていくことができるでしょう。
舟券は全て100円から購入できるので手軽に挑戦可能
ボートレースではどの舟券も100円から購入することができます。100円から購入できるので懐事情が寂しくても夢をみることができます。懐が暖かければ千円でも1万円でも賭けることができますし、このふり幅の大きさがボートレースの面白い部分でもあります。
もちろん100円でも上記のような高額舟券が出ることもありますし、夢は広がりますよね。
勝率が上がる舟券の賭け方は3つ
最後に、舟券が勝ちやすくなる予想の仕方を紹介していきます。
- 当たりにくくても3連単で舟券を買う
- 競艇場の特徴を把握する
- 買い目の点数を10点以内に抑える
以下の項目では、それぞれを詳しく解説していきます。
当たりにくくても3連単で舟券を買う
競艇は3連単を極めるのが勝ちへの近道です。
3連単は最も当たりにくい舟券ですが、勝つためには避けて通れません。他の舟券でいくら当てても配当金は少ないので、3連単で当てることを目指して舟券を買いましょう。
競艇で大切なのは、的中率ではなく回収率です。
安い配当の舟券を複数回当てるよりも、1回だけ3連単を当てる方が回収率は良いです。それ程、競艇のなかでは3連単だけが飛び抜けていますので、必ず意識して購入してください。
ちなみにX(旧Twitter)などでは競艇予想屋を名乗るアカウントが多数。
そんな予想屋については、当たる競艇予想屋ランキングで詳しく紹介しているのでぜひチェックしてください。
競艇場の特徴を把握しておく
競艇場には、「イン逃げしやすい」「アウトが差しやすい」「荒れやすい」などの傾向があります。
全国の競艇場で共通しているのは1号艇が有利という点ですが、それも各競艇場で個性があるため、なかには50%以下の勝率しかない会場も存在しています。
各競艇場の特徴を押さえておくと予想がしやすくなりますので、必ず事前情報として頭に入れておくようにしてください。
買い目の点数は必ず10点以内に抑える
買い目の点数は必ず10点以内で抑えるようにしてください。
当然ですが、買い目は多ければ的中確率は上がります。しかし、投資額が多ければ回収率は下がりますので、当てても勝ちが少ないという現象に陥ります。
実際に競艇で稼いでいる競艇プロも、1レースは10点以内で勝負していることがほとんどです。
詳しくは、競艇プロの買い方とは?選ぶレースは?で解説しているので、チェックしてください。
事前に点数は決めておかなければキリがありませんので、必ず10点以内に抑えると決めておき、それに従いながら舟券を買うようにした方が長い目で見て得策です。
まとめ
競艇(ボートレース)は6艇でのレースを予想して舟券を購入します。同じ公営ギャンブルの競馬は最大18頭立てで行われるので、6艇の予想がいかに当たりやすいかが分かります。またインの1コースが有利だったり、モーターが良いかどうか、艇に乗るレーサーの勝率など、様々な要素を考えての予想が面白い競技です。
今回は舟券の種類や買い方、初心者にオススメの舟券などをご紹介しました。
この記事を参考に是非ともボートレース場に足を運んで競艇を楽しんでくださいね。