競艇場に行くと、「1号艇6秒65……2号艇6秒68……」のように、展示航走終了後に「何かのタイム」がアナウンスされますよね。
競艇を普段されている方ならわかると思いますが、これが「展示タイム」。
当記事では、この展示タイムに注目し、何を表し、タイムが良いとどうなるのか、というところをご紹介していきます。
展示タイムの活用方法もご紹介しますので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
展示タイムとは?
展示タイムの計測区間
上の図をご覧ください。
展示タイムとは、選手がレース前に行う「周回展示」において、2周目バックストレッチ、スタートラインの延長線上から2マークまでの150mの計測タイムのことを指します。
単純に「展示タイム」と聞くと周回展示の総合タイムというように聞こえますが、1周のうちのごく一部であり、単純にモーターの調子の良さを判断するタイムではないことを頭の片隅に置いておいてください。
展示タイムでモーターの「伸び」がわかる
モーターの調子の良し悪しを判断するものではないということをお伝えしましたが、展示タイムでは何がわかるのでしょうか?
それは、モーターの「伸び」です。
モーターの足の特徴には、行き足、回り足……などなどさまざまありますが、このなかの「伸び足」がわかります。
なぜ、「伸び」がわかるのかを解説しますね。
周回展示で2周1マークを回ったあと、2マークに向けて加速していきます。
そしてバッグスタンド側、計測地点開始位置のスタートラインの延長線上を通過し、グングンとスピードを上げながら150mを走行するわけです。
この150mの状態は、一番スピードが付いている状態でありトップスピードのタイムですから、タイムが早ければ早いほど「伸び」つまり「加速が付いている」ということがわかります。
モーターの「伸び」は、スタート時の「スリット後の加速」や「道中競りの優劣」に関わる部分ですから、重要であることは間違いありません。
展示タイムは当てにならない?
展示タイムについては多くの見解があります。
展示タイムは当てにならないという意見も多く見られますね。
この意見がよく見られる理由としては、選手によって、
- 展示タイムを出しにいくタイプ
- 展示タイムを出しにいかないタイプ
がいるという理由があります。
そんなことあるの?と思うかもしれませんが、これは事実なのです。
江戸川の解説者でおなじみの桑原淳一さんは、YouTubeの番組内でこのように語っていました。
「江戸川で展示タイムは参考になりません」
展示タイムを出しにいって調子を確認する選手など、数字だけで判断はできないとおっしゃっていました。
また、バックストレッチ側の内外の走る位置の違いだけで、展示タイムは大きく変わるそうです。
ですが、一つの目安として参考にはなると思いますので、この展示タイムをもっと掘り下げていきたいと思います。
各場で公開している「オリジナル展示タイム」は必ず確認
現在では、各競艇場の公式サイトで「オリジナル展示タイム」が公開されています。
展示タイムは、あくまでも「伸び」を数字で確認するものですが、このオリジナル展示タイムを見れば「伸び」以外のさまざまな足の特徴を、数値で確認できる優れもの。
ですから、展示タイムだけではなくこのオリジナル展示タイムも必ず確認するようにしてください。
各競艇場公式サイトのレース情報から確認できます。
オリジナル展示タイムを解説
では、オリジナル展示タイムについて詳しく説明していきたいと思います。
モーターの特徴が分かる「オリジナル展示タイム」
足をどのように特徴を付けていくのかは、選手によって違ってくるのは言うまでもありません。
「伸び」を付けて一発を狙う
「回り足」を重視してバランスを取っていく
それぞれの足の特徴の仕上がりを判断する基準として、オリジナルデータを活用していきましょう。
オリジナル展示タイムは、以下の4つのタイムが計測されています。
先ほどの図を見ながら、それぞれ見ていきます。
一周タイム
一周タイムは、その名のとおり「水面を一周したタイム」。
このタイムは、全体的な足の強さを表しており、個別に足の良し悪しがわかるものではありません。
総合的に良いのか、悪いのかの一つの判断材料程度に捉えておきましょう。
まわり足タイム
まわり足タイムは、1マークの入り口から出口までの計測タイム。
このタイムは、ターン回り(旋回)を中心とした舟足の評価ができます。
競艇においてターンは肝ですから、このタイムが早いほどスムーズに旋回できており、より小さい周回半径で回れていると捉えられます。
また、ターンしたあとの加速「出足」の良し悪しも、このまわり足タイムで判断できます。
直線タイム
直線タイムは、旋回後の立ち上がりからトップスピードになるまでの直線部分を計測したタイムです。
中間速とも言います。
ターンをすることでスピードが落ち、そこから加速する「行き足」に関係。
この「行き足」はスタートをする際の、起こしから加速してスリットを切るときのスタートに大きく影響するなど、オリジナル展示タイムのなかでも最重要部分だと言えるでしょう。
「行き足」が悪いことでスリット隊形が劣勢になることはよく見られますね。
展示タイム
先ほどご紹介したとおり、中間速からトップスピードになった150mのタイム。
主に、スリット後に「伸びるか」の参考にします。
以上、これらそれぞれのタイムを確認していくことで、選手それぞれのどの足が良いのか、どこに特徴を持って来ているのかを把握していきましょう。
展示タイムを見る際の注意点
展示タイムを見る場合、以下のことを気を付ける必要があります。
ただただ、書いてある数字をそのままうのみにしてはいけません。
1号艇の展示タイムは早くなりやすい
周回展示を映像で見たことある方はわかると思いますが、1号艇から順番に周回を行っていくのが周回展示のルール。
そのため1号艇以外の艇は、前の艇の引き波が残っている状態の水面を走行することになります。
引き波とは?
ボートレース公式
ボートが走った後に残る波のこと。ここにハマるとボートを操縦しにくくなり、減速する。良いモーターはこの引き波を超える能力が高い。
ですから、引き波のない状態で走れる1号艇は、自然とタイムが早くなるということです。
この前提を逆に考えると、展示タイムが出やすい1号艇の数字が遅ければ「伸び」は弱いと捉えることができ、外の艇が攻める展開を考えなければなりませんね。
日別の比較は危ない
展示タイムを見て、こう思ったことはないでしょうか。
「〇〇選手は昨日の展示タイムはよかったのに、今日の展示タイムは悪いな。調整が合ってないのかな。」
選手の展示タイムが前日より遅くなっているため、評価を落としてしまうケース。
単純に展示タイムだけを見て、こういった判断の仕方をしてはいけません。
なぜなら、天気や風、潮など、あらゆる条件のなかで走るのがボートレースなので、展示タイムも大きく影響受けてしまうからです。
前日が無風で走りやすい条件だったのに対し、今日が雨で強い追い風であった場合、展示タイムが遅くなるのは当然。
ですから、日をまたいだ比較ではなく、他艇との相対的な比較で用いることをおすすめします。
福岡競艇場は計測位置が違う
本記事の冒頭にご紹介したとおり、展示タイムの計測は「2周目バックストレッチ、スタートラインの延長線上から2マークまでの150m」というふうにご紹介しました。
しかし、福岡競艇場のみ計測位置が違います。
下の画像をご覧ください。
バックストレッチ側スタートラインの延長線上……より手前から計測開始していることが確認できますね。
これは、2マークの奥行きが狭いという福岡競艇場の作りの問題でこのようになっています。
よって、トップスピードの「伸び」を確認する展示タイムですが、トップスピードに達する前の中間速も入るため、「行き足」部分も含まれる点は注意が必要です。
福岡競艇場の展示タイムは、純粋な「伸び」だけの数字ではありません。
競艇場によって計測方法が違う
展示タイムの計測は、実は競艇場によって計測方法が異なります。
主に計測方法は2パターン。
- 手動計測
- 自動計測
いろいろなものが進化しているこの世の中で、手動計測しているのもびっくりですね。
手動の計測とは、ストップウォッチを用いて人の手で計測しています。
ボートレースまるがめの公式サイトには以下のように書かれていました。
展示タイムは「手動」、オリジナル展示タイムは「自動」とのこと。
このように、競艇場によって計測方法に違いがあり、それぞれのタイム計測の方法も使い分けている場合があるのです。
当然、人がストップウォッチでコンマ何秒を計測するには、ズレが生じることを覚えておきましょう。
私たちが注意するべきこととしては、ズレが生じる可能性のある展示タイムなので、微差をそこまで気にしないということですね。
信頼し過ぎだけはいけません。
展示タイムの必勝法?舟券への活かし方
展示タイムは、競艇予想にどう活かすべきなのでしょうか。
実際の活用方法をご紹介していきます。
各艇の比較で展開を予想する
競艇は、スタート後の1マークが結果に直結すると言っても過言ではない競技です。
それゆえ、展開予想が非常に重要であることは間違いないでしょう。
展開予想の組み立てでまず考えるべきことは「逃げるか逃げないか」。
つまり「イン逃げ」を考えた場合、スリット後攻める艇がいないことが前提になります。
展示タイムは「伸び」を表すタイムであることから、タイム差が少なければ少ないほどスリット後の凸凹が考えにくく、「イン逃げ」の根拠となることでしょう。
そして、「逃げない」を展示タイムから考える場合はその逆。
展示タイムに差が大きい場合は、スリット後に展示タイムが早い艇が攻めてくる展開が考えられますね。
例えば、隣同士の艇の差。さらに言えばカドとカド受けに大きな差がある場合はその可能性がより高まることでしょう。
実際の出走表で見てみると以下のようなレース。
カドの4号艇とカド受けの3号艇に明確な差がありますね
こういったレースは、4号艇が攻める展開を考えることができるチャンスレースなので、積極的に狙っていきましょう。
ちなみにこのレースは「4-1-5」40.3倍という、かなりおいしい結果でした。
1号艇の展示タイムが悪い場合は絶好の穴狙い
穴党の方におすすめしたいのは、A級選手がインに配置され展示タイムが悪いレース。
ほかの選手との兼ね合いにもなりますが、A級のイン戦は基本的に人気が集中しやすく、飛んだだけで高配当が期待できるからです。
「展示タイム=伸び」ですから、外の艇がたたいていけば着外もありえる絶好の穴チャンスになるでしょう。
ほかの要素と併せていくことで展開予想の精度を上げる
展示タイムはほかの要素と併せて見ていくことで、展開を予想する上で圧倒的に精度が上がります。
なぜなら、レースは伸びだけではなく回り足も重要であり、さらにモーターの良し悪しも関係するなど、さまざまな要素が「足の特徴」を作り出していますよね。
ですから、ほかの部分を見ることでその「足の特徴」を把握し、展開予想に活かすということです。
平均スタートタイミング
平均スタートタイミングは、スリットの優劣に大きな差をもたらす可能性が非常に高いでしょう。
ここに展示タイムをプラスすると、より明確に展開を予想できます。
実際のレースで見てみましょう。
3号艇と4号艇に注目してみてください。
平均スタートタイミング | 展示タイム | |
3号艇 | 0.19 | 6.80 |
4号艇 | 0.13 | 6.73 |
4号艇の選手のほうがどちらも早いということは、4号艇が3号艇に対してスリット先行し展示タイムが早いことから伸びていき、3号艇をたたいて出ていくという展開予想が組み立てられます。
チルト
先ほどの「平均スタートタイミング」で説明した内容に、チルト角度をプラスしてみましょう。
チルトとは?
ボートレース公式
ボートにモーターを取り付ける角度をチルトと呼び、チルトアジャスターという部品で調整する。取り付け角度が小さいほど出足が強くなり、逆に角度が大きくなるほど伸びが良くなるといわれている。レース場によって使える角度に違いはあるが、おおむね「-0.5度、0度、0.5度、1.0度、1.5度、2度、3度」となっている。
チルトを跳ねると伸びが強くなるのはお分かりだと思います。
先ほどのレースでは、4号艇の選手は「-0.5度」のチルト角度でしたが、もし0度、0.5度などチルトを跳ねていた場合、さらにその信用性が増していきますね。
逆に、チルトを跳ねているにも関わらず展示タイムが出ていない選手は「伸び寄りの調整をしているが合っていない」という捉え方もできます。
モーター
モーターは競艇競技において、最重要要素といっても過言ではありません。
モーターの2連率や3連率、もっと詳しく見るのであれば、これまでの節間成績などを見ていくとモーターの良し悪しがわかります。
モーターは足のベース。
チルト同様、良いモーターであればその信用性は上昇し、展開予想の精度も上がるでしょう。
展示タイムに注目して実際のレースを予想してみた
では、これまでの復習を兼ねて、展示タイムの活用方法をご紹介してみたいと思います。
展示タイムを活かした予想方法となりますので、参考にしてみてください。
2024年11月19日 江戸川9レース
A1がインに配置された「イン逃げ」濃厚番組。
ここで注目するのは6号艇。
展示タイムを比較すると一番良いタイムであることがわかります。
隣の5号艇と比較すると、5号艇はチルトを0.5度に跳ねているにも関わらず、0.08の差があることから「伸び足」は6号艇のほうが優勢であることもわかります。
そして、6号艇のモーター61号機は、優出数5回を誇る高モーターです。
展示タイム×モーター
この2つの要素を併せて見ると、「絶好の穴狙いレース」が成立します。
6号艇の大外ひとまくり。伸びて締める見事なレースでした。
3連単も159.8倍と万舟決着でかなり魅力的な配当となりましたね。
伸びて出きってさえしまえば内側の艇を閉じ込めることができるので、たとえB1級であってもこういった大穴配当が期待できます。
展示タイムを比較して、「スリット後に出きれる選手」を見つけてください。
2024年11月20日 びわこ2レース
続いていきましょう。
これまで説明してきた内容を振り返ってみて、どの選手に注目しますでしょうか。
もうわかりましたね。注目すべきは3号艇です。
展示タイムが一人だけ6.5秒台であり、内側の艇と比べても飛びぬけたタイムとなっています。
ここにオリジナル展示タイムを加えて確認してみます。
3号艇は展示タイムのほか、「一周タイム」、「直線タイム」も上位であることからモーターの地力もあり、狙い目としては最適な状況が整いました。
1号艇の選手は、「回り足タイム」がトップタイムであることから、ターン回りは良好。
3号艇が攻めた展開だとしても、1号艇は残せるという展開予想が組み立てられますね。
結果は「3-1-2」で35.2倍。
組み立てとおりの結果となりました。
展示タイムを活かしたレース予想、いかがでしょうか。
格下選手を予想の軸にできるという点では、展示タイムは相当使えますね。
展示タイムは予想において重要な要素
「展示タイムは参考にならない」という方の言い分もよく理解できます。
しかし、「展示タイム×〇〇」という見方をすることで、十分レース予想に活用できると思います。
先に攻める艇を探しだし展開を予想する上では、重要な要素でしょう。
この展示タイムは、穴党の方におすすめします。
展示タイムが良い格上選手は、人気に拍車がかかるためオッズ妙味がありません。
ですから、格下選手がくる根拠として利用し、美味しい配当を的中させていただきたいと思います。
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日程 | 2024年12月5日 |
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日程 | 2024年12月5日 |
レース名 | びわこ7R⇒尼崎8R |
舟券 | 3連単コロガシ |
的中プラン | 限定クラスアップラン |
的中金額 | 1,008,200円 |
12/5までの総的中率 | 90.6% |