ボートレース(競艇)はフライングスタート方式を採用しています。
競艇選手が乗るボートにはブレーキやクラッチがありませんので、スロットルレバーのみを使用してスピードを調整します。レバーを握ればエンジンの回転が上がりスピードが出て、離すと回転が下がりスピードが落ちていきます。
しかしレバーを握らなくてもブレーキはありませんので必然的にモーターとプロペラが動き続けてしまいボートに推進力がかかりあす。そのために、陸上競技や競馬や競輪やオートレースなどのように静止してのオンラインスタートは競艇では不可能なために、フライングスタート方式でのスタートとなります。

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目次
スタート事故と呼ばれる、競艇のフライングの基準は?
待機行動から規定のスタート時間よりも0.01秒でも早くボートの先端がスタートラインを通過してしまった場合はフライングとなります。2013年11月からは0.05秒以上早いタイミングでフライングした場合は「非常識なフライング」として1回目でも即日帰郷という思いペナルティが科せられるようになりました。
競艇の出遅れの基準は?
規定のスタート時間よりも1秒以上遅れてスタートラインを通過すると出遅れとなります。フライングも出遅れもそのレースは欠場となります。
フライングは「F」出遅れは「L」と表記される
フライングはアルファベット表記のFlyingの頭文字を取って「F」と、出遅れ(レイト)はLateの頭文字を取って「L」と表記されます。
競艇の予想が乗っている新聞やサイトなどでもこの表記をよく見かけるので覚えておきましょう。
「F」や「L」の後ろの数字はフライングの回数
「F2」や「L2」などアルファベッドの後ろに数字がある場合は、フライングや出遅れ(レイト)をした回数が記載されている事になります。出走表などで見かける場合もありますので、こちらも覚えておきましょう。
「F」や「L」が表記されている選手(レーサー)はスタートに慎重になる
フライング(F)や出遅れ(L)を選手がした場合に、一定期間レースへのあっせんが停止されます。競争成績や賞金獲得額に多大な影響を及ぼすために、スタート事故を起こしたボートレーサーはスタートに対して慎重にならざるをえません。他の艇よりも慎重になり消極的になるので、このあたりの動向も舟券を予想する上で大事なファクターとなります。
フライングや出遅れのスタート事故を起こした場合に起こる影響
フライングや出遅れのスタート事故を起こした場合に様々な影響が関係各所へと出ます。
では、一体どのような影響が出るのでしょうか?影響が出るところと、その結果がどうなるかを調査して下記にまとめていきます。
投票した人への影響
まずは、スタート事故を起こした艇があるレースへ投票した人への影響があげられます。
全額払い戻しされる
スタート事故を起こした艇に関係する舟券は、全額返還となります。予想した舟券の中でスタート事故を起こした艇が含まれる場合は、全てボートレース場側が買い戻すという形で、全額返還されるので安心ですね。
オッズが再計算される
スタート事故を起こした艇に関係する舟券を全額払い戻した上で、改めてそれらを除いた売上金の中からオッズが再計算される事になります。人気が高かった艇や、フライングが2艇以上になると払戻金が大きくなる為に、発売締め切り直前でオッズが100倍越えの大穴が出たとしても、ふたを開けてみたら払戻金が半分以下になっている事も珍しくない事なのです。投票した人にとっては的中金額が大きく減ることになり損害となります。
選手(レーサー)への影響
スタート事故を起こした場合のボートレーサーへの影響は大変大きいです。スタート事故を起こしたボートレーサーにはかなり重いペナルティが科せられてしまいます。
ボートレースは1マークの最初のコーナーで決着が付くと言われています。そのため、スタートを少しでも早く切った艇が有利となり勝率も上がります。ペナルティを軽くしてしまうと、あわよくばの精神でフライング覚悟で突っ込むレーサーが増えてしまいます。その為にスタート事故を起こしたレーサーには重いペナルティが科せられるのです。
それでは、そのペナルティの詳細を紹介していきます。
1回目「優勝戦やドリーム戦への出場が不可」
開催節の1回目のスタート事故を起こした場合には、該当する節の賞典レースである優勝戦やドリーム戦への出場ができなくなります。
2回目「即日帰郷」
同じ節で2回目のスタート事故を起こした場合には、即日帰郷を命じられ翌日以降に開催されるその節のレースには出走することができません。
また、集団でのフライングを防止・回避する観点から2013年11月1日を初日とする開催より0.05秒以上のフライング(F)を「非常識なフライング」と定義して、該当する選手は「即日帰郷」の処分が下されます。ただし、グランプリ(賞金王決定戦)・クイーンズクライマックス(賞金女王決定戦)では適用されません。
3-2-3:フライング回数に応じた一定期間のあっせん停止
フライングを1回でもすると30日の出走禁止(あっせん停止)となります。2本目で60日加算、3本目は90日加算、4本目は180日加算されます。回数が増えれば禁止期間も増えて、出走回数も少なくなり、事故率も高くなってしまいます。ボートレーサーに取ってレースに出れないという事は、お金ももちろん稼げなくなりますのでかなりの死活問題になりますね。
フライング4回以上は引退勧告の場合も
「選手出場あっせん保留基準第8号」と選手会による「競走の公正確保及び競技水準の向上化に関する規程」により、1節でフライングを4回以上してしまうと事実上の引退勧告がなされる場合もあります。また、訓練施設での再訓練などのペナルティも科せられます。
SGやG1I以上では罰則が異なる
SGやG1などの全国規模で発売されるレースの優勝戦や準優勝戦でスタート事故をしてしまった場合には、一般戦などより厳しい罰則が科せられることになります。
SG優勝戦:SG競走1年間除外および出場辞退期間消化後プレミアムGI・GI・GII競走6か月(182日)除外
SG準優勝戦および賞金王決定戦トライアル、順位決定戦:SG競走4節除外および出場辞退期間消化後プレミアムGI・GI・GII競走3か月(91日)除外
プレミアムGI・GI及びGII優勝戦:出場辞退期間消化後プレミアムGI・GI・GII競走6か月(182日)除外
プレミアムGI・GI及びGII準優勝戦:出場辞退期間消化後プレミアムGI・GI・GII競走3か月(91日)除外
そしてSG競争は斡旋が確定していても即出場取り消しになります。また複数回の事故を起こした場合は除外期間が合算されます。
強風や水面状況によっては対象とならない場合も
かなり稀な状況ですが、強風などの為に水面がかなり激しい荒波になっていたり、他のレーサーとの接触などが原因で出遅れが起きた場合は、選手責任外(選外)と判定されて、競争自粛などのペナルティの対象とならない場合もあります。ただし、フライングに選手責任外は存在しません。
エンジンの不調や選手(レーサー)の怪我なども対象外
ボートのエンジン(モーター)の不調や、選手の怪我、大時計の故障などのスタート事故も対象外となります。何かしらの機器の故障に関していえば、選手責任外というよりもレースが不成立となります。
競艇においてフライングは反則のため罰則は厳しい
ボートレーサーは当然1着を取りたいので誰よりも早くギリギリにスタートをしようとしますが、人間ですから間違いや失敗もあり、スタート事故は日常的に出てきてしまいます。
ただ、スタート事故は開催者側も投票する側もどちらも悪い影響が出てきてしまいます。その為にスタート事故に関しては選手に重い罰則を科して、可能な限りスタート事故が起こる回数を減らそうとしています。
もしこのペナルティが軽いものだとすると、いちかばちかでフライング覚悟で突っ込んでしまう選手が増えてしまうので、どうしても重いペナルティが必要になります。
フライングで売上の97%が払い戻しになったケースも
2014年にボートレース戸田(戸田競艇場)で開催された第1回G1ヤングダービーで、競艇界歴史に残る大事件が起こりました。インの3艇がフライングによる失格で、総発売額の97.2%にあたる5億9663万100円という金額が返還されたのです。
3連複と拡連複は不成立となり単勝・複勝の払い戻しも100円という恐ろしい結果になってしまいました。3連単を的中させたとしても380円の払い戻しだったので、当たっても素直には喜べなかったでしょうね。
まとめ
フライングや出遅れのスタート事故は、選手や舟券を購入するお客さん、ボートレース場の主催者にいたるまで、関係各所に多大な影響を及ぼします。ただ、少なからず起こってしまう出来事ですので、このスタート事故を起こした選手がその節はどのようなレース展開をするのかで、予想の仕方も変わってきます。やはりボートレーサーも人間ですから、1度フライングをしてしまうと2度目はすまいと思い切ったスタートを切れないことが多くなります。その為、フライングを一度している選手がいるレースは要注意となります。この事を覚えているだけで、予想にも幅が出てきますよね。是非とも今回の記事を舟券ライフの参考にしてもらえれば幸いです。