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競艇の死亡事故はなぜ起こるのか?2023年までの事故件数とその原因を検証

競艇 死亡事故
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競艇雑学

競艇・ボートレースは競馬に並び人気の公営競技です。

体一つで時速80キロものスピードが出るボートに乗り、着順を争う迫力は他のモータースポーツ以上と言っても過言ではありません。

ただ、競艇は「水上の格闘技」と言われるほど激しい体当たりを受けることも少なくありません。

それが原因で転覆しボートから体を激しく投げ出されてしまった結果、大ケガや最悪の場合死亡事故になってしまうこともあります。

2023年に発生してしまった、競艇の死亡事故の実例を元に何故発生してしまったのかを徹底検証していきます。

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競艇の死亡事故は2022年11月現在で60年間で33件

競艇は時速80キロものスピードが出るボートに乗り、着順を争う競技です。

もし80キロという速度でボートから身を投げ出されてしまったら?

その衝撃はとてつもないものになります。

高速でぶつかった時の水面はコンクリートと遜色ないほどの固さになると言いますし、壁に激突すれば車での交通事故と同じようなダメージを負ってしまうでしょう。

そんな競艇での死亡事故は、過去60年間で33件ありました。

2022年だけで2度の死亡事故が発生

2013年以降7年間死亡事故は発生しておりませんでしたが、ここ2年で3件発生してしまいました。

さらに2022年は2件の死亡事故が発生しております。

安全技術が進歩しているなかで、これだけの短期間で死亡事故が連続して起きている件には競艇ファン内外からも疑問の声が上がっています。

2022年11月に起こってしまった中田達也選手の死亡事故

事故があったのは宮島ボートレース場で開催されたレース。

10Rで、中田さんは1号艇で出場。3周目のバックストレッチ航走中に他艇と接触して転覆して落水し、その後、後続艇が避けることができず接触してしまいました。

ただちに同市内の病院に運ばれ、治療を受けたが死亡が確認されました。

おそらくこの時の後続との接触が死亡の原因だと考えられますが、2022年11月17日現在、原因はまだ発表されておりません。

中田さんは地元福岡支部所属で113期のレーサーとして2013年11月にデビューを果たしました。

1993年生まれの29歳と若く、来年1月からは一番上のクラスであるA1級への復帰が決まっており、来年に向けて期待をされていた最中に起こってしまった事故でした。

2022年の1月12日に多摩川ボートレース場で、東京支部所属だった小林晋選手がレース中の事故で亡くなったばかりで、今後の安全対策を講じる必要性があるとSNS問わず多くの箇所で声が上がっています。

なぜ死亡事故が発生してしまうのか?

水面 コンクリート

転覆が起きてしまう可能性が最も高いのがターンの時になるわけですが、ターンの時は一番他艇との距離も近く接触することも多いので、その時に落ちてしまうとボートに衝突してしまったり、場合によってはプロペラにぶつかり刻まれてしまう可能性もあるわけです。

競艇選手はヘルメットと防護服を身に着けてレースに臨みますが、実際に転覆や衝突をしてしまったら、いくら防具を付けていたとはいえ、身体へのダメージを免れることはできません。

先述しましたが、重大な事故が起きてしまう時の多くはターンマーク周辺の攻防時が多いです。

どの選手も我先により良いコースに侵入しようとしてきますから、どうしてもターンマーク周辺では針に糸を通すような精度での切り返しが行われます。

また、スタートタイミングを見てもわかるようにコンマ秒の世界で勝敗を決することになるわけですから、ほんの一瞬の油断や少しのハンドルミスでも重大事故を引き起こす可能性があるというのは想像に難くないでしょう。

機械を人間が扱う以上、ヒューマンエラーありき、マシントラブルありきになるので、避けたくても避けられなかったケースもあるわけですね。

競艇の事故が発生するケース

植木通彦 不死鳥

過去に死亡事故に発展してしまったケースとしてあるのが、壁に激突してしまった、転覆して他艇に巻き込まれてしまった、他艇と衝突してしまったというものが挙げられます。

また、死には至らなかったとはいえ、重傷を負うことになってしまったという事故もそれ以上に発生しています。

有名なものとしては、言わずと知れた艇王こと植木通彦の事故でしょう。

1989年1月16日、桐生競艇場でその事故は起きました。

1周1マークで操舵ミスをおかし、転覆をした後、水中で後続艇のプロペラが顔面を直撃しました。

艇王は顔面を75針も縫わなければならない程の重傷を負ったのですが、あわや死亡事故とも言えるレベルの重大事故となってしまいました。

その後、艇王は事故からわずか3か月も経たないうちに復帰をし、不死鳥を冠する復活を遂げるわけですが、普通なら怖くてしばらくはボートに乗れないですよね。

競艇の事故で亡くなられた方々

過去60年間で起きた死亡事故により、亡くなってしまった方々は以下のとおりです。

ご冥福をお祈りいたします。

登録番号 選手名 享年 出身 競技場 死亡年月日
302 西塔莞爾 29 三重 児島 1953.1.7
37 横溝幸雄 34 長崎 唐津 1953.12.24
863 大井手善信 20 佐賀 唐津 1954.2.25
591 中島常价 32 福井 琵琶湖 1962.1.6
1299 小笠原政敏 28 長崎 鳴門 1963.7.25
148 大西 昭 31 徳島 常滑 1963.7.9
1106 川染一夫 35 岡山 若松 1965.2.22
910 和泉定治 40 岡山 児島 1965.3.23
1874 中井紘司 24 東京 芦屋 1965.12.23
1371 半田弘志 29 群馬 若松 1968.5.14
262 中村五喜 34 広島 唐津 1968.10.14
2356 蛇山 清 23 徳島 鳴門 1970.11.1
1335 石塚一雄 35 静岡 平和島 1972.11.12
1100 池田 博 52 長崎 多摩川 1973.10.7
2189 筒井博利 31 徳島 若松 1977.9.30
2467 一瀬 隆 27 長崎 大村 1978.8.14
2310 花田龍美 34 埼玉 大村 1981.8.24
1747 勝股 勇 38 愛知 江戸川 1982.1.23
2753 安心院信行 30 大分 三国 1983.1.24
2482 宮本 力 37 栃木 江戸川 1985.1.3
3366 清水正博 23 群馬 桐生 1989.1.6
1822 水野定夫 48 愛知 江戸川 1993.11.22
3526 有吉貴之 27 山口 1997.9.4
1876 伊藤公二 55 香川 浜名湖 1998.3.23
2546 沢田菊司 48 愛知 平和島 1999.11.6
3196 木村厚子 38 埼玉 2003.5.25
4029 中島康孝 26 愛知 尼崎 2004.3.28
4048 坂谷真史 26 福井 住之江 2007.2.26
3861 岩永高弘 36 長崎 若松 2010.5.14
2988 鈴木詔子 52 東京 下関 2013.11.2
3529 松本勝也 49 東京 尼崎 2020.2.9
4026 小林普 44 東京 多摩川 2022.1.12
4802 中田達也 29 福岡 宮島 2022.11.6

競艇は常に死と隣り合わせの競技

命を賭けた戦い

ボートレーサー養成所(やまと学校)を卒業しプロの競艇選手となってもトップレーサーとなれるのはほんの一握りの競艇は常に危険に身をさらし、一瞬の判断ミスによって命を落としてしまう事もある危険な競技です。

賞金も多く夢のある仕事ではありますが、大きな危険とリスクを背負ってボートに乗って競技をしているということを観客である我々も理解するべきことだと思います。

まとめ

競艇 事故

競艇は60年間で30件の死亡事故が発生してしまっています。
約2年に一回というペースですが、今後は発生してほしくはないですよね。

時に不甲斐ない走りになってしまう選手も見ていているかとは思いますが、大きなプレッシャーの中、命を賭けた戦いをしているということを考慮して、大目に見てあげて欲しいなと感じました。

ヤジや罵声などの心ない一言を発してしまいたくなるときもあるかもしれませんが、ぐっとこらえて競艇を楽しんでほしいです。

この記事の監修者
佐々木 雄介
競艇予想サイトNAVI 運営責任者【北村 功平】
1978年 2月11日生まれ。一橋大学卒業。大学時代から競艇にハマり、そのまま好きが高じて某スポーツ新聞社に入社。競艇をはじめ、競馬や競輪関連の記事を長らく担当。生粋の競艇好きで、休みの日もビールを片手に全国の競艇場に姿を表す。競艇を愛して22年、彼以上の競艇知識を持つ人間にはほとんど出会えない。競艇予想サイトNAVIでは全体監修を担う大黒柱。
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