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モーターボートの重要部品「チルト」とは?レースへの影響と予想展開の活用方法

ボートレース チルト
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競艇基礎情報/攻略法

チルトとは、競艇用ボートに取り付けるモーターの角度を調整するもので、正式名称は「チルトアジャスター」と言います。

競艇予想では、中にはチルトも予想に組み込んでいる人もいます。
チルトについての知識を深め、予想に組み込むことで、競艇予想で勝つ確率はグッと上がるのです。

本記事では、競艇のチルトについてや、競艇場ごとのチルトの規定、チルトの最適と言われている角度などについて詳しく紹介していきます。
チルトについての知見を深めることで、今後の予想展開にも活かせること間違いなしです。

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チルト(チルトアジャスター)って何?

競艇 チルト

チルトアジャスターは五角形の形をしており、それぞれの面に角度が表示されています。

チルトの角度を調整することで、ボートの走行性能に違いがでる事があります。
そして、チルト角度とはモーターの取り付け角度のことを差し、「チルト角」と略されることが多いです。このチルト角度が0度で、ボートに対してエンジンが直角に取り付けられます。

チルト部分の構造について

チルト 3度 阿波

ボートの外側、スターンブラケット下部に取り付けられています。
左の5角形のものがそれで、これを回転させることで奥に見えるシャフト(ブラケットボルト)の位置が変化し、モーター下部のスイベルブラケット(写真右の部分)に取り付けられたスラストピース(シャフトが実際に当たる部分で、交換できます。)がそのシャフトに当たることで取り付け角度が変わります。
スラストピースは、ナイロン製のものが標準ですが、宮島ではステンレス製のものを使用しています。

チルトアジャスターについて

チルトアジャスター

左から「-0.5/0/0.5/1/1.5」「0/0.5/1/1.5/2」「0/0.5/1/2/3」

左に書いたように、回転させることでも角度を変えられますが、そのプレートに
使いたい角度がない場合は交換することになります。

競艇場別のチルト角度・調整幅・最大チルト角度

最大チルト角度

最大チルト角度は3度。最大8段階までの調整が可能ですが、競艇場によってチルト角度の調整幅に違いがあります。下記に競艇場別の、チルト調整の詳細をまとめました。

桐生 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°
戸田 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°
江戸川 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°
平和島 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
多摩川 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
浜名湖 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 2.5°, 3°
蒲郡 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
常滑 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
津 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
三国 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
びわこ ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°
住之江 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°
尼崎 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
鳴門 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
丸亀 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
児島 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
宮島 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
徳山 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°
下関 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
若松 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°
芦屋 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
福岡 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°
唐津 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°, 2°, 3°
大村 ヤマト331型 -0.5°, 0°, 0.5°, 1°, 1.5°

調整幅が違う理由は会場の環境に合わせるため

チルト角度の調整幅は、それぞれの競艇場の広さや水面事情によって決められています。
例えば、戸田競艇場はコースの幅が全国で1番狭いことが理由でチルト角が3種類しか選べません。

正常に進行しているレースでも1マークを回った艇が対岸ギリギリを走ることがありますが、もしこれが水面に弾かれたり流されたりしていたら、対岸に突っ込んでしまう危険性があります。
チルト角をプラスに調整するほどボートは不安定になるため、転覆などの事故がないよう環境に合わせてチルト角度の調整幅が決められているわけです。

展示タイムへの影響について

説明した通り、チルト角度はプラスに調整するほど直線でのスピードが出ます。
展示タイムは直線時のスピードの伸びから最高速度までの間を計測しているため、チルト角度の調整による影響は大きいと言えます

チルト角の調整によるレースへの影響について

チルト角度

次に、チルト角を上げた時、下げた時に出るそれぞれの影響について詳しく解説していきます。

チルト角を上げた時、あるいは下げた時、レースにはどのような影響が出るのでしょうか。

以下では、上げた時のメリット・デメリット、下げた時のメリット・デメリットについて詳しく解説していきますので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

チルト角を上げた時の影響

チルト角を上げると、プロペラがボートに対して斜め上に反り上がってついているような状態となります。チルト角を上げた時に出るメリットは下記の通りです。

  • スピードを出しやすくなる

チルト角を上げることによって、ボートと水面の触れる面積が減り、受ける抵抗が少なくなります。
よって、スピードを出しやすい『伸び足特化』のボートとなります。

しかし、触れる面積が減ってしまう分、安定性に欠けるため初速が出にくいという点や、ターンが回りにくくなるというデメリットもあるため注意が必要です。

チルト角を下げた時の影響

チルト角を下げると、プロペラがボートに対して斜め下に下がってついているような状態となります。
ボートは水面の方に向いているため、チルト角を上げた時とは反対に、ボートと水面の接地している面積は増えることになります。

  • ボートが安定する

ボートと水面の接地面積が増えることで、ボートが安定するという点を得られるのがチルト角を下げた時のメリットとなります。
ボートが安定することで、初速が出やすくなり、またターンが回りやすい『出足・回り足特化』のボートとなります。
しかし、チルト角を上げた時のような伸びを得られることはできないため、注意が必要となります。

チルト角「-0.5度」と「3.0度」はどっちの方が強い?!詳しく解説

次に、競艇のチルトの角度で、最大まで下げた角度である-0.5度と、最大まで上げた3.0度では、どちらの方が強いのかについて詳しく解説していきます。
どちらにもメリット・デメリットがあることがわかりましたが、結局のところどっちの方が強いの?という疑問を抱きますよね。
以下では、どちらの方が強いのかについて詳しく解説していきますので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

結論:-0.5度の方が強いと言われている

チルト角は-0.5度と3.0度のどちらの方が強いのか、結論から申し上げると、-0.5度の方が強いとされています。

理由としては、現在活躍している競艇選手のほとんどが-0.5度のチルト角で勝負していることから、-0.5度の方が強いのではないかといわれています。
伸び足が良くなる3.0度ですが、ボートの安定性に欠けてしまうというデメリットがあります。

その一方で、伸び足こそないものの、ボートが安定するため出足と回り足が良くなる-0.5度では、安定した強さを誇るというメリットがあります。
両者のメリットと比べると、やはり安定性を取るという人が多い様です。また、現在レースにて3.0度のチルト角で勝負している人はほとんどおらず、いたとしても数える程度となっています。

まくりを狙って0度や0.5度に設定する選手もいる

チルトの最小角である-0.5度と最大角である3度では、-0.5度の方が強いといわれています。
しかし、競艇選手の中には中間である0度や0.5度に設定をして戦っている選手も存在しています。

あえて0度や0.5度にチルト角を上げているのは『捲りを狙っている』という明確な理由があるからです。

特に、アウトコースよりの4・5・6コースの選手がチルトを上げた場合、スタートがうまくいけば捲りが決まる確率が高くなります。
特に、4コースの選手が捲りを決めてきた場合、それよりも内側に位置している1・2・3コースの選手たちは先頭に出ることが非常に難しくなります。

つまり、4コースがチルトを上げて捲りを決めてきた場合、後続についてきやすいのは5コースとなります。
そのことから、出走表を確認した際に4コースの選手がチルトを上げていた場合、捲りを狙っていると予想し『4-5』という組み合わせを買っていれば、高配当を手に入れるチャンスとなります。

シナリオ通り4コースが捲りを決めて1着に出ることが大前提となりますが、穴狙いの高配当を期待しているという人にとっては非常におすすめの買い方となります。

3.0度に設定している選手は全速ダッシュ狙い

ごく稀に3.0度に設定している選手も存在しています。
チルト角が-0.5度と3.0度のボートでは、別の乗り物に乗っているのではないかと錯覚してしまうくらい、乗り心地は変わります。

3.0度にチルトを設定すると、伸び足が良くなるため、スタートさえうまく決まれば全速ダッシュがしやすくなります。

しかし、ターンを回るのが難しいというデメリットもあります。

そのため、調子が良ければ飛び抜けて強いため、レースでも1着を取れる可能性がありますが、調子が悪いと6着になってしまうこともあるでしょう。

まとめ

ボートレース チルト

チルト(チルトアジャスター)について説明いたしました。

競艇選手が調整する重要な部品で、競艇場でも安全性を意識して、規則は違うという特殊部品です。しかし、その調整を巧みに操る事で、阿波選手のような技術の選手が誕生します。

規制の変更で、今後も多少変わってくると思いますが、ボートレースの構造を知ってから競艇の応援しに行く事で、新しい見方をできるのではないでしょうか。

この記事の監修者
佐々木 雄介
競艇予想サイトNAVI 運営責任者【北村 功平】
1978年 2月11日生まれ。一橋大学卒業。大学時代から競艇にハマり、そのまま好きが高じて某スポーツ新聞社に入社。競艇をはじめ、競馬や競輪関連の記事を長らく担当。生粋の競艇好きで、休みの日もビールを片手に全国の競艇場に姿を表す。競艇を愛して22年、彼以上の競艇知識を持つ人間にはほとんど出会えない。競艇予想サイトNAVIでは全体監修を担う大黒柱。
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