競艇には得点がある、ということを競艇を嗜んでいる人からすれば当然のようにご存知だろうとは思いますが、一般的なイメージでは競艇は着順を競うものであって、得点が発生するとはちょっと考えづらいですよね。
競艇選手の着順と密接な関係のある得点率
競艇の得点とは、ざっくりと説明すると着順に応じて獲得できるポイントのことです。
では、得点率とは一体何なのか?
予選で獲得した得点を出走した総レース数で割ったものが得点率です。
分かりやすく言うと平均点、ということですね。
そして、この得点率が高い順に(厳密にいうと少し違います)優勝戦へ出場(優出)するチャンスを得ることが出来るわけです。
得点率はどの様に計算されるの?
競艇では、最大7日間(通常4-6日間)連続でレースが開催されており、その期間全体のことを節といい、1節は、予選から始まり、予選を勝ち進んだ選手達による準優勝戦、そして優勝戦が最終日に開催されるというのが、基本的な流れとなっています。
なので、その時々に応じて若干計算の仕方に違いが出てきます。
得点率を計算するときの分母である予選レース数
節間内での予選は選手総当たりで行われ、出走数にはある程度の決まりがあり、3日開催で4回、4日開催で6回、6日開催で8回となっており、これに応じて得点率を計算する時の分母が決まります。
得点率を計算するときの分子である得点
着順別の得点にも実は予選によって違いがあり、一般競争の場合には一着から順に10、8、6、4、2、1となっており、この点数を基準として得点が追加されます。
特殊な加点が行われるレース
G1や選抜戦などの競争の時は+1点が加点され、SGやドリーム戦の競争の時には+2点の得点加算があります。
得点が減点されるケース
得点は加点だけではなく減点もあります。
事故や内規違反では反則点数があり、これが総得点から引かれる事になります。
内訳はそれぞれ、待機行動違反、不良航法、2回目以降の失速で7点で、転覆、落水、沈没、エンストで5点が減点となります。
ただし、他者責任の場合には減点対象とはなりません。
減点を超えた特別なペナルティである賞典除外
得点率の順位によって準優勝戦、優勝戦へと競艇選手は駒を進めることが出来るわけですが、減点をされてしまった場合には一部例外も存在しています。
それが賞典除外です。
賞典とは主に、優勝戦、準優勝戦、特別選抜A戦、特別選抜B戦、最終日に行われる選抜戦などを指し、これらに出られなくなってしまう事を言います。
賞典除外になってしまうのは減点時であり、簡単に言えば、減点じゃ済まされないようなことを起こしてしまった時です。
賞典除外となりえる失格や反則は以下のようなものがあります。
・フライング返還欠場
・選手責任の出遅れ返還欠場
・最アウト違反(スタート展示で6コースに入った選手は本番レースで1コースに入れない。1コースに入った場合は待機行動中に「返還欠場」が宣告される)
・1節で2回目の不良航法
・準優勝戦での不良航法(1回目でも最終日は賞典除外)
・妨害失格
・準優勝戦での選手責任の失格・欠場(予選では3回目まで減点5)
・予選での出走回数不足者(予選では規定出走数が決められている)
・開催途中での追加あっ旋を受けた者(出走回数不足とほぼ同意)
・1日見学者(開催によってはフライングをした選手は1日出走しない日がある)
・1日1回出走希望者(選手自身が出走制限を申し出た場合)
実際に得点率を計算をしてみるとどうなるのか
すでに計算式は頭の中で描かれているかとは思いますが、文字にして起こしてみると
(着順点-反則点)÷出走数=得点率
これが公式となります。
例題
3日開催で4回の予選、一般戦に出場し、結果がそれぞれ、1,2,3,転覆(自己責任)でした。
この場合の得点率を計算すると
{10(1着)+8(2着)+6(3着)-5(転覆)}÷4=4.75
こんな風に得点率を計算することが出来ます。
得点率で決まる優出の可能性
さて、得点率の上位が優勝戦への道を進むことが出来ると説明しましたが、具体的にはどの様にして決定していくものなのでしょうか?
節によっては若干の違いがありますが、最も多い基本的なパターンの場合について紹介していきます。
準優勝戦、優勝戦に進む為には?
準優勝戦がそもそもない、という節もありますが、基本的には予選、準優勝戦、優勝戦という流れになります。
初日から4日目までが予選となり、その間のレースの結果によって得点率の高い上位18名の選手が準優勝戦へとコマを進めます。
上位18人を6人ずつに振り分けて、それぞれ準優勝戦レースを行い、各レースから1着と2着の選手を集めた6名が晴れて優勝戦へと進むことになります。
準優勝戦と優勝戦の枠順決定
予選においては、運営サイドが番組を考えることから、レースの組み合わせと枠順は絶妙な調整で決定されますが、準優勝戦からは、選手の得点率によって決定されます。
準優勝戦A組…1位-6位-7位-12位-13位-18位
準優勝戦B組…2位-5位-8位-11位-14位-17位
準優勝戦C組…3位-4位-9位-10位-15位-16位
優勝戦の枠順の決め方は、上記3つの準優勝戦それぞれで1着だった選手の得点率の順番通りに1~3枠が決定し、それぞれで2着だった選手の得点率の順番通りに4~6枠が決定します。
得点率が同率だった場合はどうなるの?
得点率の計算方法を見てわかるとは思いますが、場合によっては同じ得点率になってしまう選手が出てきてしまいます。
その場合には、1着の回数が多い選手がより優先されるようになっています。
また、更にそれも一緒だった場合には、走破タイムが早い選手が選ばれます。
これも一緒だった場合には…というのはちょっとわかりませんでした。
得点率から見る、舟券購入術
さて、得点率の計算方法がわかったら、今度はそのデータを舟券を購入する際にどのように活かしていくべきなのか?について考えていきましょう。
基本的には、この得点率が高い上位の選手が準優勝戦、優勝戦へと駒を進める事になるわけですが、競艇選手からしてみれば、優出できるか否かというのは自身の賞金にも大きくかかわりますし非常に大事な部分となります。
準優勝戦、優勝戦に進出できる選手の数というのは、節によって異なり、4日間開催の場合には準優勝戦が無く、3日間の予選の得点率上位6選手が優勝戦に進出できるという場合もありますし、SGなどグレードの高いレースの場合には、予選を4日間して得点率上位18選手が準優勝戦に進出、準優勝戦で1、2着になった選手が優勝戦に進出という事もあります。
これらのことから最も考えるべきなのは、上位勢に残れるか否かのきわどいボーダーラインにいる選手達による予選のレース展開です。
勝負掛け選手がいるかを見極める
節間が進んでいく事で、自然と得点率から見た上位ボーダーがはじき出されてきます。
予選最終日に一定以上の着順を取ることで準優勝戦に進出する事が出来る選手がいるレースのことを勝負掛けと言います。
この勝負掛けレースでは、該当選手が必要な着順に食い込むためにいつもとは違う戦法を取り、大胆によりアグレッシブに攻めてくる可能性というのが出てきます。
予想外の走りをすることで、荒れるレースになるという可能性もあることを考慮して舟券を購入するようにしましょう。
消化レース扱いの選手がいるレースの場合も
ボーダーラインとは大きくかけ離れている選手は場合によっては消化試合のように完走だけを目指しているなんて場合も実はあります。
例えば、フライング等をして賞典除外(にさえならなければ準優勝戦が確定している選手や、逆に1着になろうが準優勝戦には手が届かないという選手はあまり無理をしないというケースもあったりします。
これらの選手と勝負掛けの選手が同時に出走するというケースの場合、一方は手を抜いて一方は本気で1着を狙いに来るという形になるので、B級選手がA級選手に勝つ、なんて番狂わせも起こることがある、ということですね。
また、これは憶測の域を出ないですが、既に優出が出来ないことが確定しているような選手が同じレースに出走する仲の良い選手が勝負掛けだった場合に、その手助けに回るような走りをする…なんてパターンも無いとは言い切れません。
得点率のボーダーラインはどの位なの?
では、問題のボーダーラインをどの様に算出すれば良いのでしょうか?
これは、節によってどうしても違いが出てきてしまうので、一般的に言われている数字を紹介します。
仮にすべてのレースで3着になり続けた場合の得点率が6.0で、この数字が一般的なボーダーラインの目安と言われている数字です。
大体この前後であると考えた上で、節内の選手たちの得点率を見ればその選手がボーダーライン周辺なのかどうか?を見極めることが出来るでしょう。
まとめ
今回は競艇の得点率についてご紹介いたしました。
得点率は競艇選手にとっては優出できるか否かにかかる非常に大切な物であり、且つ、投票する側である私たちにも舟券を購入する際の材料として使えるものになっています。
競艇で勝つ為には様々な情報をしっかりと分析した上ではじき出す予想を確立することが大切です。
様々な角度から競艇を捉えることで、更なる勝率アップにつなげていきましょう。