競艇は常に6人のボートレーサー達(全6艇)がレースをし、スタートをしてから1周600メートルのコースを3周(1800メートル)したらゴールです。
競艇では正面から見た時に左から右にスタートを切るのですが、大時計から見た時に右側にあるコーンを第一ターンマークといい、左側にあるコーンを第二ターンマークといいます。
ターンマークとは一体何なの?
その名の通り、ターンをする目安(ボートを旋回させる地点の目印)となる部分で、選手達はこの外側を一つのレースにつき、全部で6回のターンをすることになるのです。
このターンマークの内側を走った場合には不良航法となり、失格になります。
ターンマークは赤と白で塗られたトンガリ帽子のような形状のブイで、二つのターンマークの間は300mです。
第一ターンマーク、第二ターンマークのことを略して1マーク、2マークという呼び方もします。
ブイは三段になっていて、横幅は110cm、高さは95cmに統一されています。分厚いゴムで出来ていて、最下部にフックがついていてアンカー止めで固定してあります。
またターンマーク以外にもブイは水上にあり、第二ターンマークから20mの位置に小回り防止用のブイがあります。
これをオレンジブイと言います。
ターンマークはなぜあの形に?
特徴のあるソフトクリーム型のブイになっているターンマークですが、細く高い円錐形は水面でターン時の舳先との接触を可能な限り避ける為の形状となっています。
それに加え、この形状だと水面に浮く形としてはバランスが良くベストだとされているのです。
また、中に重りを入れて先をとがらせて高を作ってもひっくり返らないようになっているようです。
ターンマークはボートとの接触も多く、塗装が剥げてしまうので定期的にペンキの塗りなおしがされており、最近では3つに分離するターンマークが開発され、損傷時に破損部位のみの交換が可能になっています。
ちなみに、以前はタイヤを縦に重ねてブリキの円錐型のものを通して塗装をしていたそうです。
ですがタイヤは硬いですし、ターンマークはボートにぶつかることが多いこともあり、選手がぶつかってしまった際に大きな衝撃を受けることになる為、安全面を考慮して現在の柔らかいゴム製へと改良されました。
1周第1ターンマークの折り返しは勝負を決する大事な戦い
競艇(ボートレース)の醍醐味の一つといえるのが、スタート後の1周第1ターンマークの激しい攻防です。
競艇では、スタート後初めてのターンとなる1周第1ターンマークで先頭に立つことができれば非常に有利にレースを進めることができますし、この時点で先頭の選手がそのまま1着になることが多いほどに大切な場面となります。
なぜ有利にレースを進められるのか?と言えば、前を走っている艇の引き波の影響によって、後ろを走っている艇は不利になってしまうのです。
よって、1周第1ターンマークでは、他艇よりも早く旋回してイン逃げを決める艇、またアウトコースから全速のまくりを狙ってくる艇、更には先行艇の内側を鋭く突き抜けようとして差しを仕掛けてくる艇など、全艇が我先にと得意技を駆使して誰よりも先に1周第1ターンマークを回ろうとするのです。
決まり手は1周第1ターンマークの戦法を表す
競艇では1着になった選手にどのように1着をとったのかを必ず決まり手として表示するようになっています。
この決まり手というのは、第一ターンマークで先行して抜けた艇がどのよう戦法で先行したのか?表すことが多いです。
見逃せない1周第2ターンマークでの折り返し
1周1マークで勝負が決まるとはいえ、レベルの高い選手達のレースだと、先行艇と後続艇の差は微々たるものだったりします。
その為、第二ターンマークでの逆転劇は多々見られることがあります。
また、あくまで1着の選手だけを取り上げていますが、実際に舟券を購入する際に3連単や3連複などを考えれば2着、3着も大切になってきますし、特に先行艇が大きく突き放している場合には、この2、3着争いは2マークで雌雄を決することもあります。
2週目以降のターンマークは転覆に注意?
1周目の第一、第二ターンマークが終了した時点での着順はかなり決定的になってくることが多く、特にかなり突き放して先頭で走っている艇は全速ターンというよりも、ミスをしないように安定した走りを見せることがあります。
既に1着が決まっているような状態なのですから、転覆や内回りなどの不良航法を避けることで確実に着順を決定づけられるからというのもあるでしょう。
特に、ボートが走っている以上は波が残っている事もあるからです。
ただ、後続は諦めずに追ってきますので、その辺りの兼ね合いと駆け引きの判断ミスには注意ですね。
周回展示でのターンマークの動きもチェックしよう
既にレース中のお話を連ねてしまっているので順序が逆になってしまいますが、レース前には展示航走と呼ばれるものがあります。
展示航走にはスタート展示と周回展示があり、いわゆるレースのデモンストレーションのようなものですが、スタート展示を終えた後、選手達はそれぞれ周回展示に移ります。
この周回展示では実際にレースと同様に第一ターンマーク、第二ターンマークをターンするところを見られます。
周回展示でチェックするべきなのは、ターンにおけるボートの動きで、ターンマークを外していないか、ターンマークで流れていないか、ターンマークでボートが暴れていないかの3点です。
周回展示は選手が2周回するので、それぞれのターン時には目を光らせるようにしましょう。
ちなみにボートの暴れに関しては、走行順によって波が発生してしまうので、1回で判断することは無く、総合的に見るようにするのが良いでしょう。
競艇場ごとにターンマーク周辺に違いも
競艇場によってコースに違いがあることから、ターンマークにも実は微妙な違いがあります。
例えば、江戸川競艇競争水面は川であり、ピットを観客席側の岸を利用するしかないので、ピットを離れて方向転換を開始するまで70mしかなかったりします。
ピットを離れた選手は第2ターンマークを旋回してスタート体勢に入るのですが、ピットの位置の関係でターンマーク近くにあるポールを避けながら待機行動に入らなければなりません。
また、その後バックストレッチ側に向かう際に各艇がポールとの衝突を避けるために、暗黙の了解でアウトコースはインコースに割り込む事がありません。
これらを理由に江戸川競艇は、ほぼ進入固定になってしまいます。
更に、江戸川競艇の第1マーク付近の幅はかなり狭く、スタート方向に正対してから第1マークに達するまで34メートルも横移動しなければなりません。
それだけではなく、江戸川競艇場の波の流れによって第一ターンマークは内側に吸い寄せられる流れになっていたり、第二ターンマークは逆に引き離される流れになっていたりもします。
競艇場の水面の大きさや水質によってターンマーク周辺にも影響が表れているということですね。
まとめ
競艇はターンマークひとつとっても見るべき部分が多く、知っておきたいと思える情報が満載です。
材質やその大きさなどは予想には直接的に関係ありませんが、競艇はとにかく知識の勝負となる場面も多いので、競艇仲間が増えるにつれて豆知識が多いほど、話の中心にもなっていけるので、どんな小さなことでも知っておいて損はないでしょう。
レースの中でも最もアツい瞬間と言えるのが1周第1ターンマークでの熾烈な競争、手に汗握る瞬間をぜひお楽しみください。