プロペラの回転が競艇の命!キャビると勝敗は一気に変わってしまう!

競艇 キャビる
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雑学

キャビるとは英語の「cavitation(空胴現象)」を略したものです。

「プロペラの旋回時、先端部に空気の泡が集中的に発生して空転することで一時的に急激に速度が落ちてしまう」ことです。

競艇はコンマ数秒を争う競技ですので、この一時的な減速が命取りとなってしまい敗因に繋がってしまいます。

ただ、いくら訓練を受けたボートレーサーであっても、この「キャビる」ことを予想することは不可能だと言われています。

そこで、この「キャビる」現象がどのような状況で発生してしまうのか、また起きないように選手はどのように対策をしているのかを調査して参りました。

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この記事の監修者
後藤孝男
競艇予想サイトNAVI 運営責任者【北村 功平】
1978年 2月11日生まれ。一橋大学卒業。大学時代から競艇にハマり、そのまま好きが高じて某スポーツ新聞社に入社。競艇をはじめ、競馬や競輪関連の記事を長らく担当。生粋の競艇好きで、休みの日もビールを片手に全国の競艇場に姿を表す。競艇を愛して22年、彼以上の競艇知識を持つ人間にはほとんど出会えない。競艇予想サイトNAVIでは全体監修を担う大黒柱。

競艇のキャビるってどんな現象?

キャビるとは、略語で正式には「キャビテーションを起こす。」といいます。艇が他の艇の引き波に乗ることによって、急激に速度が落とすことです。
引き波とは、船が走ったあとに出来る波のことです。

船は引き波に乗ってしまうと、水の中の気泡によって、プロペラが空転状態になってしまいます。これにより、船は推進力を失ってしまうのです。

モーターの音を聞いていると「ブウォーンブウォン」とバイクや車などの空ぶかしのような音が聞こえると思います。

ターンの時に、このキャビることによって予想していた選手が後続に追い抜かれてしまうととても悔しいです。

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競艇で使用されるボートについて

競艇で使用されるボート

競艇ボートの仕組みや構造に関しては、全ての選手が使用するボートが共通の仕様となっているため、基本的にはボートそのものの個体差はないということになります。

ボートの全長は全長は289.5㎝で、全幅は133.6cm。重さは70kgで、ボートは木製となっています。

ボートレースで使っているモーターは水冷2サイクル2気筒で排気量396cc。最高出力は31馬力です。

艇底の構造に関しては、かつてはV字型のランナバウトが使用されていました。

しかし、現在では廃止されて、艇底がフラットで中央にフィンがついているハイドロプレーンというタイプが用いられています。
一説にはランナバウトタイプのほうが操舵技術が難しい点があったということですが、真相は未だ不明です。

それと、競艇のボートにブレーキはありません。
そのため、スロットルレバー(車でいうところのアクセル)を離し、モーターの出力を落とすことで減速します。

旋回する時は一旦ボートを減速させてハンドルを回し、そこからスロットルレバーを徐々に握って加速しながら、ハンドルを戻して直線に向かいます。
ちなみに、ボートには正座で座るような体勢で乗ってます。初めて見た時は驚きました。あんなに猛スピード走っているのに、F1レースのように椅子に座る形ではなく、正座の体制をとっているのは驚きです。

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最高速と平均スピードについて

競艇で使用されるボート

競艇ボートの最高スピードは、一般的には時速80kmと言われています。
競艇ボートに使われているエンジンの排気量は400ccですから、バイクの普通二輪と同等のエンジンということになります。
水という負荷を考えると、そういったエンジンで時速80kmものスピードが出るのもすごいですね。

しかし、競艇ではターンの度に減速することになるため、最高速で走る距離はそれほど長くはありません。
競艇のレースは約1,800mで争われ、平均レースタイムは1分49秒ということを考えると、ボートの平均時速は約60kmということになります。

競艇用ボートの値段は?

競艇ボートはヤマト発動機という会社が一手で製造しており、各競艇場と学校へ年間1600艇出荷しています。
新品の値段はおおよそ60万円と言われています。
しかし、バックギアがついていなかったりと競技用に作られているボートということもあり、一般の人は操縦してはいけないことになっていることに加え、ボートは1年しか使えないということもあり、残念ながら中古でボートが出回りません。

モーターの部品について

競モーターの部品

ヤマト331型の部品は約400点ありますが、選手の意思で交換できる部品は限られています。モーターは1年間使用しなければなりません。そのため、部品を削ったりすることは絶対に禁止されています。

こうしたモーターの調整で違反すると、モーター取り扱い不良でペナルティーを科せられます。もちろん、選手が希望して部品交換した場合にも、どの部品を交換したのか?詳細に公表される仕組みとなっています。新しい部品に交換可能なのは、ピストン、リング、キャブレター、ギアケース、電気一式、クランクシャフト、シリンダーケース、キャリアボデーの8種類です。これにプロペラ交換が加わります。

プロペラはヤマト発電機製とナカシマプロペラ製の2種類がありましたが、ナカシマプロペラが撤退したので、今はヤマト発電機製のみです。モーター1基につき、1枚のプロペラが準備されています。
プロペラがレースで破損すると、競技委員長が認めた場合のみ新しいプロペラが提供されます。

2年間使用するので、悪いモーターに当たったプロペラはいろいろな選手がいろいろな形に叩いて調整する(ペラ打ち)ので、かなりいびつになったものもあるということです。こうしたことからも、プロペラの性能差は大きく開く傾向にあります。

ペラの調整について

ペラの調整

一昔前ならいざしらず、現在の競艇(ボートレース)では、それぞれの部品の精度が上がったことで、部品交換を行ったとしてもすぐに効果が出るとは限りません。それよりも、性能に直結するプロペラの調整を重要視する選手が近年また増え始めているそうです。プロペラは外径が187ミリ、重量373グラムの2枚羽根です。

プロペラは自動車のギアとタイヤの役目をすると言われており、ほんの少しの調整で性能が大きく左右されます。伸びを重視するか出足を重視するか、ターンのスムーズさもプロペラ調整で可能になります。
選手の体重や戦法によってもプロペラ調整が違っており、プロペラ調整は紙1枚分と言われる程デリケートな作業です。

プロペラ調整には、決められた木製ハンマーとプラスチックハンマーしか使用できません。プロペラを叩くことで、角度を変えます。この時に使うのがプロペラゲージです。これをプロペラに当てて修正します。
プロペラゲージは好成績を残したプロペラの形をコピーしたプラスチックの板の事。各選手は、自分のイメージにマッチしたプロペラゲージを持っており、何枚ものプロペラゲージをプロペラに当ててハンマーで叩き、プロペラの形を買えていきます。
プロペラが1回転して進む距離をピッチと呼びます。

出足型にするにはピッチを少なくするようにプロペラを叩きます。ローギアで走るようなものです。回転の上がりが早くなりますが、直線の伸びは止まります。内寄りからレースをする選手やコーナー勝負をする選手がやります。
伸びを強くするのは、ピッチを大きくします。プロペラを立てるなどとも呼ばれていますね。アウトから一発決めたい選手が採用する手法です。

とは言え、どちらが良いとは一概に言えず、ターンのしやすさなど総合的に走りのフィーリングが合うように、選手はプロペラを修正します。自分好みに仕上がれば、ペラがあったなどという表現を使ったりしますね。

キャビると不利な理由

キャビると不利

ボートレースでは、当たり前の話ですがモーターボートで水面を滑走するわけですが、 その原動力となっているモーターの回転を推進力に変えているのは、手のひらを広げた程度の大きさの小さなプロペラ1つです。

ボートが走った航跡には引き波と呼ばれる波が起きて、水面は平坦ではなく凸凹になりがちです。 競艇用のボートに取り付けられたプロペラはかなり水面に近い位置にあるので、水面が凸凹になっていると、 まともに水を「掻く」事が出来ず、プロペラが空転する時があります。

なぜ、キャビると不利になるのでしょうか。それには、2つの理由があります。

  • 理由①抜かれてしまう
  • 理由②事故に繋がる可能性

このキャビっている状態は、車で言えばドリフトやハイドロ・プレーニング現象のようにタイヤが路面を捉えきれていない状態なので、 いくらアクセルを全開にしても加速しません。
スタートタイミングならば0.01秒単位で競われる競艇において、キャビテーションで他艇に置いてけぼりを食らうのは致命的です。

また、後ろに続く他艇が避けることができずに事故に発展してしまう可能性があります。

そのため、キャビることは選手にとって命取りにのなり兼ねない大きな問題なのです。

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キャビる予想は出来るのか?

キャビテーションは引き波の上を走った際に必ず発生するとは限りませんし、 事前にどの艇がキャビテーションの餌食になるかまでは予想する事は、まず不可能と言っても良いと思います。

ただ、キャビって失速するケースには特徴があって、スタートが遅い選手は当然他の選手の引き波に乗りやすいし、 水面のコース幅が広いコースよりも、狭いコースの方が艇がひしめき合っているので当然引き波の影響を受けやすいわけです。
なので、1コースの1号艇で2コースに2号艇が入ると予想したレースの場合、 1号艇を軸にした舟券を買う時に、1号艇がターンをする直後に1号艇のインを回らざるを得ない2号艇はキャビって失速するリスクは常にあります。

一方、スタートが上手くてマクリ手に長けているカド進入の選手(通常4コースの選手を指す場合が多い)ならば、 他艇の外を回るので引き波に乗ってキャビると言うリスクが殆どありません。
そういう事も計算に入れながら舟券を組み立ててみてください。

「ブルが入る」とは違うのか

「キャビる」と「ブルが入る」は、全く違う意味です。現在は、あまり使われることがない言葉となります。

ブルが入るとは、エンジンが正常に作動しない結果、すぐに加速ができないことです。

プロペラが空転状態となって推進力を失うキャビるとは、全く異なるものということが分かりますね。

まとめ

キャビると不利

競艇でキャビるが解りましたでしょうか。キャビテーションしてしまう事で、不利になってしまう事を考えると、やはり競艇は奥が深いと思います。
競艇は水上である事で、様々な現象が起こります。そんな状況を理解し、前の艇を追い抜く事は至難の技だと思います。

高速で進むボートレースの選手は、レース中に怪我や事故の不安要素も考えながら、1着でゴールする事を考え、その中でも戦略や整備の技術、エンジンの調子やセッティング、様々な事を考え、挑んでいるのだと思います。

正直、キャビテーションしてしまう事は、舟券を購入する側にはわかりません。しかし、このような知識がわかるからこそ、選手の見方、走り方も参考になると思います。
これからも競艇選手の技術や経験を信じて、楽しんでボートレースを応援したいと思います。

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