皆さんは競艇のスジ、もしくはスジ舟券という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
スジ舟券とは簡単にいうと「このコースが1着になったら、あのコースが2着に来やすい」というようなセオリーをまとめたものです。
このスジ舟券の考え方を知っているか知っていないかで競艇で勝てる確率が変わってくるのです。
例を挙げるとすれば、「1コースが1着の時は2コースが2着にくる可能性が高い。」
といった具合で競艇にはスジがあるのです。
本記事ではそんな競艇のスジについて、大きく分けて
- そもそも競艇のスジとは
- スジ舟券が使える条件
- コース毎の競艇のスジ
の3つに分けてご紹介していきます。
さらに記事の後半では番外編として裏スジ舟券や初心者必見の勝ち方などについても解説しています。
是非最後までご覧ください。
1:競艇のスジとは?
そもそも競艇のスジとは何なのかを解説していきます。
舟券を購入するとき特に把握しておくべきことは「コースによる有利不利がかなり大きい」点です。
競艇は基本的にはどの競艇場であっても最もインコースが有利であり1着に慣れる可能性が高いコースなのです。
実際にこれまでの競艇で1位を獲得したレーサーの50%以上は1コース(最もインコース)というデータも出ています。
ここまでコースによる有利不利が顕著にでている競技であるため過去のレースのデータを集計していくと2着の舟、3着の舟の着順に偏りが発生します。これを競艇のスジといいます。
つまりこの論理を把握しておくだけで軸買いをする時に有利になり、特に2単連や3単連などの順位を予測する勝負では必須レベルの知識になります。
スジ舟券を考えるにあたっての大前提として最初に覚えておくべきポイントとして以下の3つが挙げられます。
- 予測している船のインコース側が2着に来やすい
- 捲った艇の1つ内側は2着にきづらい
- 捲った艇の1つ外側は2着にきやすい
※捲ったとは
2~6コースからスタートした艇が、スピードを落とさず1周第1ターンマークで内の艇を外から抜いていき、その後も抜かれずにレースに勝つ戦法。若手やアウトコースの得意なレーサーがよく使う戦法。
次章以降では実際にスジ舟券が適用できる必要な条件やコース毎のすじについて解説します。これらを把握しておくことで初心者でも勝率を高めることができます。
2:スジ舟券が使える4つの条件
前章で解説した通り、競艇のスジを把握しておくことで着順が想定しやすくなりますがもちろん全てのレースでこの理論が使える訳ではありません。
スジ舟券は主に以下のような条件で特に真価を発揮します。
- コースの環境が穏やか
- 選手の実力が均一
- 1着に入る舟がわかっている
- 中盤以降のレース
一体どういうことなのか、どのようなレースでスジ舟券の理論を使えばいいのかを1つずつ解説していきます。
2-1:コースの環境が穏やか
スジ舟券を考えるにあたって1つ目の条件はコースの環境が穏やかであるという点が挙げられます。
具体的には水面が穏やかであることが最も重要です。
競艇場で使用される水には主に「海水」「汽水」「淡水」のいずれかが使用されますがこの3種類のうち「汽水」と「海水」は塩の満ち引きの影響を受けて時間帯によって環境が変化するためスジ舟券の理論が通じない可能性が発生します。
また、コースの形状がプールのような塩の満ち引きなどの外的要因が発生しない形状であればスジ舟券理論は適用することができます。
競艇場の環境を確認した上でスジ舟券理論を適用するか否かを判断するのが良いでしょう。
また、競艇場がプールの形状だったとしてもその日の風速が5mを超える強風だった場合は有利不利に大きく影響が出る可能性があるので当日の気象も考察に加える必要があります。
2-2:選手の実力が均一
当日のレース出場選手の過去の実績を確認して選手間の実力差がほとんどなければスジ舟券の理論を適用するには相応しいレースといえます。
なぜなら選手同士のスピード感やテクニックに大きな差がなければコースの枠によって発生する有利不利がそのまま反映されるためセオリー通りの結果になる可能性が高まるからです。
逆に選手間に実力差がある競艇でスジ舟券をすると、外側の選手がインコースの選手をあっけなく抜いてしまうなどのイレギュラーが発生する可能性があります。
2-3:1着に入る舟がわかっている
スジ舟券の理論は冒頭に説明した通り1着目の艇を基準に順位を予測するためまず、1着目の予測に目星をつけておく必要があります。
そのためレース展開が全く予想できないレースではスジ舟券は適用できません。
2-4:中盤以降のレース
競艇では主に4~7日間の「節」でレースが進行します。
節の序盤では選手たちは競艇場の環境に合わせたモーターやプロペラの調整が完全には終わっていないことが多く、ポテンシャルを発揮できない選手が多いですが節中盤以降では競艇場に合わせた調整が完了するためイレギュラーが発生しずらくなります。
つまり節中盤以降ではセオリー通りのレースが行われる可能性が高まるということです。
ここまでの解説でスジ舟券とはつまりレースにおいて大きな外的要因やイレギュラーが発生しない環境での適用において最も真価を発揮する理論であることがお分かりいただけたかと思います。
では実際にスジ舟券はどのような予測を立てることができるのかを解説していきます。
3:スジ舟券6コース分を紹介
では1~6コースでのスジについてパターン別に解説していきます。
本章では
- 1コースが1着の時のスジ舟券
- 2コースが1着の時のスジ舟券
- 3コースが1着の時のスジ舟券
- 4コースが1着の時のスジ舟券
- 5コースが1着の時のスジ舟券
- 6コースが1着の時のスジ舟券
それぞれのコースについて解説していきます。
3-1:1コースが1着の時のスジ舟券
1コースが1着になる場合のセオリーは第1ターンマークを他の艇より先に回り、そのまま逃げ切るという形になります。
また1コースが1着になるときは2~4コースが2着になることが多いです。
パターン①スタートが揃っている時「1-23-23456」
スタートが揃っていて1号艇が先マイした時、その後に続く艇はその外の2号艇になります。3号艇は4~6の壁となりながら走るため2着になりやすいのは2、3号艇です。
※先マイ
他艇に先んじてターンマークを回ること。後続の艇を引き波に入れてレースを有利に運ぶ。
パターン②スタートで2号艇が凹んだ場合「1-34-3456」
スタートで2号艇が凹んだ場合、その1つ外の3号艇が有利になる傾向になります。
パターン③スタートで3号艇が凹んだ場合「1-245-23456」
スタートで3号艇が凹んだ場合、その1つ外の4号艇が有利になる傾向があります。
3-2:2コースが1着の時のスジ舟券
2コースが1着にくる場合のセオリーは、基本的には差しが7割、捲りが3割というのがメインの勝ち筋です。
2コースが1着にくるときは、1、3、4コースが2着に来やすい傾向があります。つまり2コースが1着のときのスジ舟券は「2-134」なのです。
※差しとは
決まり手の一つ。先にターンしていった艇(「イン逃げ」や「まくり」の戦法をとっている艇)の内側を鋭く突き抜ける戦法。テクニックを必要とし、引き波を超えるパワーが強ければ強いほど勝利に近づく。
パターン①2号艇1着の決めてが「差し」の場合「2-13-13456」
2号艇が「差し」で1着になる時、2着になるのは両サイドの1号艇と3号艇で決まる傾向があります。
パターン②2号艇1着の決めてが「捲り」の場合「2-34-3456」
2号艇が「捲り」で1着になる時、2着は2号艇の一個外の3号艇になる傾向があります。
3-3:3コースが1着の時のスジ舟券
3コースが1着にくる場合のセオリーは、捲りが3割、捲り差しが3割というのがメインの勝ち筋になります。
3コースが1着にくるときは、1、2、4コースが2着に来やすい傾向があります。つまり3コースが1着のときのスジ舟券は「3-124」なのです。
パターン①3号艇1着の決めてが「捲り差し」の場合「3-14-12456」
3コースが「捲り差し」で1着になる時、4コースの艇は障害物に影響を受けずに1Mをターンできる1コースの艇と攻めていく3コースの艇の一個外側にいる4コースの艇が有利になります。
パターン②3号艇1着の決めてが「捲り」の場合「3-45-1456」
3コースが「捲り」で1着になる時、内側の2コースの艇は1号車の引き波の影響を受けることがあるため外の4コース、5コースの艇が紐になることもあります。
3-4:4コースが1着の時のスジ舟券
4コースが1着にくる場合のセオリーは、捲りがが5割、捲り差しが3割というのがメインの勝ち筋になります。
4コースが1着にくるときは、1、2、5コースが2着に来やすい傾向があります。つまり4コースが1着のときのスジ舟券は「4-125」なのです。
パターン①4号艇1着の決めてが「捲り差し」の場合「4-15-12356」
4コースが「捲り差し」で1着になる時、3コースと同様に2着に1コースの艇がくる場合が多いです。
パターン②4号艇1着の決めてが「捲り」の場合「4-56-12356」
4コースが「捲り」で1着になる時、スタートタイミングに大きな差があることがほとんどなのでインコースの艇が2着にいることはあまりありません。
3-5:5コースが1着の時のスジ舟券
5コースが1着にくる場合のセオリーは、捲りが捲りが2割、捲り差しが6割でこの2通りの勝ち筋のみの展開になります。
5コースが1着にくるときは、1、2、4コースが2着に来やすい傾向があります。
パターン①5号艇1着の決めてが「捲り差し」の場合「5-16-12346」
5コースが「捲り差し」で1着になる場合、4コースの艇と同様に1コースの艇が2着、6コースの艇が3着になります。
パターン①5号艇1着の決めてが「捲り」の場合「5-16-12346」
5コースが「捲り」で1着になる場合、1コースの艇が2着で残る可能性があります。
3-6:6コースが1着の時のスジ舟券
6コースが1着にくる場合のセオリーは、5コース同様捲りか捲り差しの2つのみの展開です。
6コースが1着にくるときは、1、2コースが2着に来やすい傾向があります。
6コースが1着になる場合「6-12345-12345」
6コースが一着になる場合は2着にくる艇は腕がある選手です。
これらのスジはさまざまなイレギュラーやアクシデントは想定せず、あくまで理論上の考えであるため、実際に適用を考えている場合は選手の業績や天候など事前情報をあらかじめ調べておくことでより正確な勝率につなげていくことができるでしょう。
競艇はスジ舟券を覚えた上でレースを臨機応変に予想していくので初心者でまだスジの覚えに自信がない場合はスジ舟券をスマホの待ち受けなどに設定しておいても良いでしょう。
競艇スタートシュミレーションのアプリなどをインストールして競艇のイメージをつけておくのも1つの手です。
4:スジ舟券が通用しない3つの競艇場
ここまで、スジ舟券が使用できる条件やコース毎のスジについて解説しましたが、本章では実際にスジ舟券が通用しない競艇場をご紹介します。
本記事でご紹介する競艇場は以下の3つになります。
- 江戸川競艇場
- 福岡競艇場
- 戸田競艇場
上記の競艇場ではスジ舟券が通用しません。一体どういうことなのか、1つずつ解説していきます。
4-1:江戸川競艇場
江戸川競艇場は日本で唯一河川を活用して造られた競艇場です。
東京湾から派生してきた中川の河口付近に位置し、河口と風下には風を遮るものがありません。
風の影響を大きく受けるためレース前には風向きをチェックしておく必要があります。
また河口付近に位置しているため水は海水と淡水が混じった汽水です。
満潮に近づくにつれて海水の割合が増え、塩分濃度が高くなるため浮力が変化します。
塩分濃度が高い状態は水面が不安定になります。そのためレース前には潮の干満もチェックする必要があるのです。
江戸川競艇場は実力者でも本来の力を発揮できない競艇場とさえ言われています。
このような事柄が起因し、江戸川競艇場ではスジ舟券は通用しないと言われています。
関連記事:江戸川競艇の特徴やアクセス方法!ういち来場など詳細まとめ
4-2:福岡競艇場
福岡競艇場は博多湾から派生した那珂川の河口付近に位置しており「うねり」がレースに影響を及ぼすことが多発している競艇場でもあります。
「うねり」とはコース内の水面に発生する波のことで、コース上にうねりが発生していると選手は思うように操縦できず、スジ舟券の予想に影響が発生することが多いです。
4-3:戸田競艇場
戸田競艇場は漕艇場の一角を利用して作られた競艇場です。
昭和の東京オリンピック時に漕艇場としての利用を目的として設計されているため全国1狭いコースとして知られています。
そのため、全速力で捲っていく際に消波装置に激突してしまうなどのアクシデントに見舞われる可能性が高いです。
1マークのスタンドの幅は37mという狭さから、艇が密集しやすく差しコースである2,4コースが不利となり、捲りコースと言われる3,5コースが有利と言われています。
このような背景からスジ舟券は効力を発揮しづらいと言われています。
以上がスジ舟券の効力が発揮しづらい3つの競艇場でした。
これら以外でもレース当日の気候や風向きによってスジ舟券の適用ができなくなることもあるため、レース前には気象情報を確認の上臨むことをオススメします。
5:裏スジ舟券とは
ここまではスジ舟券についてまとめてきました。
しかし、競艇を重ねていくうちにどのスジにも当てはまらない展開や、スジ舟券が効力を発揮しないレースが出てくることがあります。
そんな時に活躍するのが裏スジ舟券です。
本章では
- 裏スジ舟券を使うタイミング
- 裏スジ舟券のメリット
の2つに分けて解説していきます。
5-1:裏スジ舟券を使うタイミング
まず、裏スジ舟券を使うタイミングについて説明していきます。
裏スジ舟券が効用を発揮するのはスジ舟券の予測が外れた時、つまりは捲りが失敗した時ということです。
そのためスジ舟券の予想の保険として購入しておくのが堅いと言えるでしょう。
裏スジのパターンは以下が挙げられます。
2コースの捲りが失敗した時
- 1-3-全
- 3-14-全
3コースの捲りが失敗した時
- 1-4-全
- 24-24-全
4コースの捲りが失敗した時
- 1-5-全
- 25-25-全
5コースの捲りが失敗した時
- 1-6-全
- 26-26-全
5-2:裏スジ舟券の2つのメリット
裏スジ舟券を購入しておくことでスジの予想が外れた時のリスクヘッジをしておくことができるのはもちろんのこと、そのほかに以下の2つのメリットが挙げられます。
- 払戻が高配当になりやすい
- 展開予想の幅が広がる
どういうことか、1つずつ解説していきます。
①展開予想の幅が広がる
5-1でご紹介した裏スジ舟券のパターンはレースの展開によっては連動し、予測がより複雑化することがありますが、基本のスジ舟券と裏スジ舟券を理解しておくことで深い展開予想が可能になります。
さらに周りよりも先に展開予想ができれば誰も予想できない舟券(穴)を見つけることが可能になります。
②払戻が高配当になりやすい
①でご紹介したようなパターンでの穴予想のオッズはかなり高額設定にされていることが多いため、高倍率の払戻金が得られる可能性が高いです。
※オッズとは
オッズとは、自分の買った舟券が的中した場合に支払われる、払戻金の倍率のことである。オッズが「50.0」の舟券を100円買って的中すると、5,000円が払戻される。数値が低いほど、倍率は低くなるが人気の舟券ということになり、予想の材料にもなる。
6:初心者にオススメの3つの勝ち方
では最後に初心者のあなたに更なるオススメの勝ち方をご紹介します。
本記事でご紹介する勝ち方は以下の2つになります。
- 単勝を狙ってみる
- 2連単を狙ってみる
- 出目買いをしてみる
では、1つずつ解説していきます。
6-1:単勝
競艇初心者はまず単勝で舟券を購入することをオススメします。
なぜなら単勝は6つの艇の中の1着を当てる舟券であるため最も的中しやすいのです。
第1章で解説した通り競艇では1コースの1着率が全体の50%以上であるため1号艇の1着を購入すれば高い確率で単勝が狙えるのです。
6-2:2連単
上記の単勝に慣れてきたら、2連単での舟券を購入してみましょう。
2連単とは、1着の艇と2着の艇を着順も含めて当てる舟券です。
2連単は単勝よりもオッズが高く設定されているので複数購入でプラスの収支を見込むことも可能です。
6-3:出目買い
出目買いとは過去のレースの結果から、レース展開を予想せずに当たりやすい出目の舟券を購入する方法です。
的中させやすい出目もあり、知識が乏しい初心者でも当てることができるのがこちらの購入方法のメリットですが、思考する手間が一切ないのが出目買いなのでレースに関する知識が身につかないという点がデメリットです。
>>舟券の買い方に必勝法はある?安定して勝てる7つの方法を紹介!
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は競艇初心者向けに競艇のスジ「スジ舟券」について解説しました。今回解説したポイントをまとめると
- 基本的には内側のコースが有利で2着になりやすい
- 「捲る」ときに2着に来るのは外の艇
- 「差す」ときに2着に来るのは1コースの艇
これらが基本的なセオリーです。
また、初心者向けの舟券の購入方法や普通のスジが効力を発揮しない場合の裏スジについても本記事ではご紹介しました。
本記事を通して競艇のスジについての理解をより深めることができれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。