魚ちゃんの愛称で親しまれている魚谷智之は人気の高い競艇選手の一人です。その人気の理由は一体どこにあるのでしょうか?
魚谷智之って一体どんな人物なの?生年月日や出身地、デビューからの成績は?
魚谷 智之 は1975年11月2日生まれで兵庫県出身の競艇選手です。
163センチ、51キロのA型、現在は43歳です。第76期生として登録、登録番号は3780です。
唐草模様のヘルメットがトレードマークで魚ちゃんや魚屋さんのニックネームがついています。
大の競輪好きで競艇では無く、競輪選手も目指していた?
競輪のトップ選手である小嶋敬二との親交が深いことが有名で、競輪選手を目指した事もあるほどに競輪が大好きな魚谷 智之
デビューは1995年
1994年に第76期訓練生として本栖研修所に入所した後、1995年に卒業し、デビューしました。
2004年にG1初優勝
2004年2月11日に尼崎競艇場で開催されたG1第47回近畿地区選手権競走にて初優勝、この時の決まり手は逃げでした。
SGとG1での痛恨のフライング
2004年6月27日に浜名湖競艇場で開催されたSG第14回グランドチャンピオン決定戦ではフライングを喫し1年間のSG出場を棒に振り、2005年1月17日の尼崎G1近松賞(開設52周年記念)においてもフライングをした事で、更に3ヶ月間のGI出場除外となってしまう。
いずれも同期の原田幸哉に恵まれで1着を献上する結果に。
2006年に巻き返しを期す
2006年07月5日に鳴門競艇場で開催された、G1レースの第53回大渦大賞では逃げの決まり手で優勝をすると、2006年10月29日には福岡競艇場で開催された、SG第53回全日本選手権で3コースから全速の華麗なまくり差しを決め、SG初優勝を飾ります。
ちなみにこの時、兵庫支部選手のSG優勝は46年ぶりの快挙となりました。
更に、2006年11月7日には三国競艇場で開催されたG1三国モーターボート大賞、2006年12月14日に芦屋競艇場で開催されたG1ダイヤモンドカップ競走で優勝を果たし、年末の賞金王決定戦にまで駒を進めました。
2007年には圧巻の快進撃
2007年3月11日、三国競艇場で開催された、G1レースの第53回北陸艇王決戦で優勝、2007年7月20日、徳山競艇場で開催されたG1徳山クラウン争奪戦 開設54周年記念競走での優勝を飾ると、2007年7月29日には桐生競艇場で開催されたSGオーシャンカップ競走優勝戦では1号艇1コースから素晴らしいイン逃げを決めて、SG2度目の優勝を果たします。
これだけでは終わらない。
更に2007年の9月2日、蒲郡競艇場で開催されたSG第53回モーターボート記念でも2号艇2コースから素晴らしい差しを魅せつけての自身3度目のSG優勝を決め、
5年ぶり史上12回目のSG連覇を達成しました。
また、2002年に開幕したナイターSGとしては史上初の連覇(完全制覇)の偉業を成し遂げます。
2007年にG1初優勝!
2007年1月28日、大村競艇場で開催されたG1第21回共同通信社杯新鋭王座決定戦競走でG1初優勝を飾ります。
優勝戦では6コースから見事な抜きで1着を獲得しました。
2007年の賞金王に輝く
前年優勝を果たした、2007年全日本選手権にも出場を果たし、優勝すればSG・3連覇と全日本選手権連覇の大記録がダブルで同時達成される期待が高まりましたが、無念の3着に終わってしまいます。
「華がない」とまで言われていた魚谷 智之はこの時、『新・艇王』と称賛される程になりました。
無類の強さをみせつけ、2億533万4000円を獲得して2007年の年間賞金王に輝きました。
魚谷 智之のレーススタイルは努力の結晶!
仕事熱心で努力家として知られている魚谷 智之のレーススタイルはいわゆる自在型です。
基本的なコース取りは枠なりがほとんどで強引なコース取りもほとんどしないですが、持ち前のテクニックで豪快なイン逃げ、まくり、まくり差し、巧みな差しとファンを魅了し、どのコースでも1着を取れる実力者と言われています。
その境地にたどり着くためには実に様々なトレーニングを積み重ねた努力の結晶とも言うべきものでした。
尼崎競艇場でのハードな練習
競艇においては、とにかくターンの精度は非常に大事なことです。
尼崎競艇場で無類の強さを誇ると言われている魚谷 智之は、レースで失敗したことを課題として持ち帰り、実現するためにはどうすれば良いのか?をしっかりと分析した上で白石健と共に、フルレバーでの全速ターン勝負などを行い、とにかく尼崎競艇場で出来るようになるまでひたすら練習を繰り返しました。
それを通じて、ボートに正確に力を伝えること、そして中心が絶対にブレないターンを手に入れることに成功しました。
自分が納得いくほどに練習してレースに臨むことが非常に楽しいと話、新しい技が身についたという実感を得ることが出来るのだとか。
こうして、鋭すぎるターンで炸裂する捲り差しは艇界で1,2を争うと言われる程になりました。
鋼のメンタルを手に入れる為の試行錯誤
2004年の浜名湖競艇場で開催されたグランドチャンピオン優勝戦、2005年の津競艇場で開催された全日本選手権競走予選でフライングをしたことで、本格的にメンタルトレーニングを行います。
自分をコントロールする為の技術を習得するために、色々な本を読み、沢山の人からアドバイスを受けたことで、競艇にあった自身のメンタルの強さに気づくことが出来ました。
レース前の高ぶる感情を抑えるコントロール術は今も100%は出来ていないと言いますが、自身と向き合ったことで更なる成長を遂げることになっていきます。
あくなき肉体改造の日々
しなやかで瞬間的に強い力を出せる身体を理想とし、それを追い求めている魚谷 智之ですが、本人いわく全然ダメなのだそう。
競輪好きがこうじ、元競輪選手の松本整さんに『身体を見て欲しい』と相談したところ『うちにこい』と快諾してくれ、それからジム・クラブコングにお世話になるように。
トレーニング内容はボートレースに必要な筋肉作りと怪我をしないような強化、そして体幹を入念に松本さんとマン・ツー・マンで行っていますが、段々と上がるハードルに厳しいトレーニングには弱音を吐きたくなる事もあるとか。
プロペラとモーターの調整術
前検日に貰った時にもプロペラを見ることはせず、まずはそのまま乗って状態を確認し、感触が良いなと感じた場合には一切手を付けずにそのまま行く事もあると言います。
ゲージを取りデータ化することで、様々な状況に対応できるようにと常に勉強を進めているのだとか。
また、出ていると言われている良いモーターを引いた場合にも、乗ってみて何となくしっくりこない、自分の体感とは違うなと感じた場合には、容赦なく叩くようにしているとのことです。
とにかくその日、その時、その瞬間の感覚、フィーリングを大切にし、常に変わる状況への対応力を付けていく、それが魚谷 智之のレーススタイルとも言える部分でしょう。
ボートレース尼崎(尼崎競艇場)では驚異の強さ
魚谷 智之は、地元である尼崎競艇場では無類の強さを誇ることから、彼が登場する場合には鉄板として舟券が買われるので、舟券圏内を外せば必ずと言っていいほど高配当になってしまうような絶大的な人気を誇る兵庫支部のエースと言える存在です。
SG初優勝を飾った、第53回全日本選手権で優勝した後の優勝報告会ではあまりの祝福の声の多さに司会者との会話ができなくなるほどというエピソードもあります。
尼崎競艇場での優勝経験一覧
1997年 9月 6日
一般 楠公杯争奪第6回兵庫.岡山選抜戦
1998年 5月 3日
一般 第30回報知金杯争奪六甲賞競走
1998年11月20日
G3 新鋭リ-グ戦競走第23戦プリンスロ-ド’98
1999年 3月12日
一般 日本財団会長杯争奪ダイスポスワンカップ競走
1999年10月15日
G1 G1モーターボート大賞競走
2000年 3月15日
一般 第48回センタープール杯争奪ニッカングローリー賞競
2000年 5月 4日
一般 第32回報知金杯争奪六甲賞競走
2000年10月31日
一般 AM神戸ハーバーカップ2000
2001年 4月28日
一般 第33回報知金杯争奪六甲賞競走
2002年 7月24日
G3 UCCカップ2002
2002年 8月10日
一般 楠公杯争奪第30回オール兵庫王座決定戦
2003年 8月10日
一般 楠公杯争奪第31回オール兵庫王座決定戦
2004年 2月 6日
G1 G1第47回近畿地区選手権競走
2004年 3月18日
一般 ビクトリーチャンネル杯
2004年 8月10日
一般 楠公杯争奪第32回オール兵庫王座決定戦
2004年11月13日
一般 一般競走
2005年 4月28日
一般 第37回報知金杯争奪六甲賞競走
2005年12月24日
一般 サンテレビ杯争奪歳忘れ今年もありがとう競走
2006年 4月28日
一般 第38回報知金杯争奪六甲賞競走
2006年 6月28日
一般 ビクトリーチャンネル杯
2007年 1月12日
G1 第54回G1近松賞(開設54周年記念)
2007年 4月28日
一般 第39回報知金杯争奪 六甲賞競走
2007年11月29日
G1 G1モーターボート大賞
2008年 1月12日
G1 G1近松賞(開設55周年記念)
2008年 2月 2日
G1 G1第51回近畿地区選手権競走
2008年 8月 9日
一般 楠公杯争奪 第36回オール兵庫王座決定戦
2009年 8月 9日
一般 楠公杯争奪 第37回オール兵庫王座決定戦
2010年 5月 4日
一般 第42回報知金杯争奪 六甲賞競走
2010年 8月 9日
一般 楠公杯争奪 第38回オール兵庫王座決定戦
2013年 5月 2日
一般 第45回報知金杯争奪六甲賞競走
2014年 6月14日
G1 G1尼崎センプルカップ(開設62周年記念)
2015年 1月 4日
一般 尼崎市長杯争奪 福娘福男選抜男女W優勝戦
2015年 6月 6日
一般 スポーツニッポン杯争奪 第25回しらなみ賞競走
2015年 8月 9日
一般 日本財団会長杯争奪 第43回オール兵庫王座決定戦
2016年 7月 7日
一般 スポーツニッポン杯争奪 第26回しらなみ賞競走
2016年 8月 9日
一般 日本財団会長杯争奪 第44回オール兵庫王座決定戦
2017年 5月 2日
一般 第49回報知金杯争奪 六甲賞競走
2017年 8月 9日
一般 日本財団会長杯争奪 第45回オール兵庫王座決定戦
まとめ
魚谷 智之は、尼崎競艇場で出場の際にはとにかく舟券を買うだけで勝てる!と言われる程、とにかく強い事から、逆に他の競艇場では穴扱いで買われたりするという不思議な特徴のある選手です。たゆまぬ努力で培われた巧みなボートテクニックには定評があり、いつ何時でも1着に入ることが出来る技量は魅力的で、出艇レースでは特に注意をするのが良いですね。今後も競艇界の魚屋さんの活躍に期待したいです。