競艇では大きなレースなどの後には選手の会見が開かれることも多く、ファンにとっては選手を間近で見れる機会となっています。普段見せないような顔をしてくれるのでレースをしている選手とは違った印象を受ける人も多いと思います。
しかしその会見では見ている人から心無い”ヤジ”が飛び交うこともあります。
競艇界では有名な話なのですが、ベテランの角谷健吾選手が昔、会見中にヤジを飛ばした人に怒りを露わにし、マイクを「ガンっ」とテーブルにぶつけたことがありました。
この時ヤジではどんなことが言われ、司会の人とどんなやり取りがあったのか”真相”をご紹介していきます。また角谷健吾選手の成績や選手としてのデータも一緒にまとめています!
角谷健吾ってどんな選手!?
A1級のボートレーサー角谷健吾(すみやけんご)選手についてご紹介していきます。
1972年昭和47年の12月24日生まれで東京都出身です。登録番号は「3613」で身長は162cm小柄ですがダイナミックな走りが特徴的です。血液型がo型で71期生です。
●父の勧めで競艇の選手を目指す
競艇好きの父の勧めで選手を目指すことになります。本栖研修所で2度受験をし合格をします。しかしデビューから2年目に事故率が規定を超えてしまい8か月の休みを余儀なくされてしまいます。休業中は車のローン返済のためにアルバイトをしていたという話もあります。
●波乱のデビュー
1992年11月に平和島競艇場でデビューを果たしますが、初日に展示航走中に落水してしまい欠場となってしまいます。しかし事実上のデビュー戦となった2日目に全速ターンで6コースから1着をもぎ取ります。またデビュー節の最終日にはフライングをしてしまい、波乱のデビューとなりました。
●躍動の2000年
自身初となるG1初優勝は2000年2月に戸田競艇場で開催された「G1関東地区選手競争」でした。4コースから見事にまくりを決めて勝利をします
また同じく2000年の7月に宮島競艇場で開催された第5回オーシャンカップでSGへ初出場します。2走目で1号艇でイン逃げを決めて見事水神祭を飾ります。
選手の階級について
約1,600人いるレーサーには、その勝率によって「A1」「A2」「B1」「B2」の4段階の階級に分けられています。最上級はA1級で、全レーサーの上位20%ほどしかいない選ばれた選手になります。またA1級のボーダーラインは勝率6.20前後となることが多いとされています。
賞金額も権威も高いSG競走には、原則として最上級のA1レーサーのみが出場できるなど、級によって出場できるレースや日数が増減していきます。また、級別は勝率を基に、毎年1月と7月の半年に1度更新されています。
●A1級
定率:20%
2連対率:30%以上
3連対率:40%以上
勝率:上位
事故率:0.70以下
最低出走回数:90回以上
●A2級
定率:20%
2連対率:30%以上
3連対率:40%以上
勝率:A1級を除く勝率上位の者
事故率:0.70以下
最低出走回数:70回以上
●B1級
定率:50%
勝率:2.00以上
条件:A1級およびA2級を除く勝率上位の者
事故率:0.70以下
最低出走回数:50回以上
●B1級
A1級、A2級、B1級以外のもの
競艇の選手はみんなA1級を目指していきますが、上位20%になるのはそう簡単ではないですね。そんな中、角谷健吾選手はA1級に在籍していきます。実力があることはお墨付きですね!
半年間の成績データ
2018年5月1日から10月31日まで集計したデータをご紹介します!勝率や出走の回数に着順ごとの回数などをまとめました。
勝率:7.11
2連対率:54.60%
3連対率:72.65%
出走回数:128回
優出回数:8回
優勝回数:4回
平均スタートタイミング:0.15
フライング回数:1回
出遅れ回数:0回
1着:28.9% 37回
2着:25.8% 33回
3着:18.0% 23回
4着:13.3% 17回
5着:6.3% 8回
6着:7.0% 9回
となっています。流石A1級の選手だけあって上位着順が圧倒的に多いですね。
第16回多摩川さつき杯の真相
2009年5月3日に開催された第16回多摩川さつき杯の第12R後の勝利者インタビューで事件は起こります。1号艇でイン逃げをした角谷健吾選手が会見に登場。最初は穏やかなムードで会見は進んでいきます。しかし…
司会者:今節のスタートは早めにスタートがある程度見えているという感じですか?
角谷健吾選手:まあ、見えているというかそうですね確信はないですけど。
ヤジ:確信ないとか言ってんじゃねえよおめえは 金賭けてんだおめえは
角谷健吾選手:(にらみをきかせつつ無言でマイクをゴンっ!!)
というやり取りがありました。会見は無事に終了しますが、あまりにも心無いヤジとそれに対する角谷健吾選手の反応が当時は話題となりました。競艇の選手でも人は人ですからね…ひどい事を言われると…。
●優勝者へのヤジは多い?
実際勝利者インタビューでヤジが飛ぶことは少なくありません。舟券がハズレてしまった人が飛ばしているのでしょうか?何かにぶつけたい気持ちは分かりますが気持ちが良いものではありませんね。基本的に選手はスルーことが多いです。イラっとする気持ちも分かりますが、なるべく穏やかにしたいですね。
●会見以外でのヤジが届く時がある
会見だけではなく競艇では観客席と距離が近いのでヤジや応援の声が選手の耳に入る時があります。一部のファンから負けた時などに「やめちまえ!」「死んじまえ!」など過激な言葉が飛び出すこともありますが、競艇は死亡のリスクもある危険なレースをこなしているので、冗談に聞こえない時もあります。
●ヤジは飛ばさない方が良い?
では実際にヤジは飛ばしてはいけないのか?会場にもよると思いますが、レース中は飛ばしても問題は無いと思います。モーターの音でほとんど聞こえないですからね。思いっきり叫んでストレスを解消したいという人もいるのではないでしょうか?しかしレース前やレース後などの声が届く時はねぎらいの言葉をかけて上げるようにしましょう。
競艇の選手は精神力が強い!?
ボートレースは他の公営ギャンブルと比べると開催される回数も多く体力的にもキツイ競技ですが、精神力の強さも必要になります。ヤジを言われても動じないメンタルが必要になります。
●養成所でメンタルを鍛える
競艇の選手のほとんどが強い精神力を持っています。その理由は養成所にありました。養成所では1年間全寮生活がしますが、その生活の中でみっちり鍛えられるのです。ボートレーサーの養成所は地獄の1年と呼ばれていて、入学した時の半分くらいした卒業できない時もあります。強制退学もありますが、ほとんどが地獄のような厳しい環境に耐えられなくなることが原因となります。その地獄を乗り越えた選手たちの精神力は一様に高いのです。
他にも競艇起きたマジギレ話
競艇だけではなく争いがあるスポーツなどでは選手が激怒したという話は珍しくありません。本気でやっているからこそ、そういう衝突はありますね。特に競艇ではターンの時に選手同士の接触の危険性もあります。角谷健吾選手は会場に来ていた客との争いでしたが、選手同士の争いの話をいくつかご紹介します。
松井繁選手がダンプにマジギレ!?
第34回笹川賞優勝戦で起こった原田幸哉選手の伝説のダンプに松井繁選手がブチギレしたというのも競艇界では有名な話です。
●ダンプとは
先行艇との間に、相当の艇間距離(3~4艇身)があるにもかかわらず、艇首(バウ)をあまり返さず突っ込んで相手を飛ばし、自分はその反動で前に出てくる航走のことです。テクニックの一つともされていますが、最近ではとても危険で失格になる可能性が非常に高くなってきています。相手を落水、転覆させてしまうと妨害失格になってしまいます。
第34回笹川賞優勝戦では原田幸哉選手が松井繁選手にダンプをしていきます。実際にやられた松井繁選手は2号艇にも関わらず順位を大きく落としてしまいます。これによって1号艇の瓜生選手が優勝をしますが、原田幸哉選手とは同期で昔から仲が良かったそうです。この行為も瓜生選手を勝たせるためだったのでは?と予測する人もいます。
坂口周選手の危険なターンに激怒!?
競艇では接触などの危険が多いのがターンの時になります。順位が入れ替わるのもターンなので気合を入れるポイントですが、行き過ぎた攻めは危険な行為になります。
2015年11月5日に開催された『G1宮島チャンピオンカップ開設61周年記念予選9R』で坂口周選手が行ったターンがあまりにも危険すぎて田中信一郎選手が激怒したという話があります。他の艇と接触もしているのでもう少し突っ込んでいたら…
田中信一郎選手が激怒したのは自分の身が危険というよりも、競艇の選手として許せないという感じでした。勝ちたい気持ちがあるのも分かりますが時には死亡事故にもなるので気を付けてもらいたいですね。
まとめ
今回は競艇の話の中でも角谷健吾選手の会見に注目してご紹介させていただきました。「角谷健吾選手が会見でキレた!」という話だけでは選手が悪く感じますが、行き過ぎたヤジによるものだということを忘れてはいけないですね。
さらに今回は選手同士の対立やヤジに対することもまとめました。レースの結果だけではなく人と人が作るドラマもボートレースの醍醐味の一つだと思います!今まで気にしていなかった人はそういう面でも楽しんでみてはどうでしょうか?
角谷健吾選手は現在A1級のベテランレーサーとして活躍されています!レースで見かけた時は是非応援されてみてはいかがでしょうか?