ドラマティックな展開、手に汗握る瞬間、大番狂わせや予想外な結末を迎えたレースは記憶にも記録にも残るものが多いです。
感動を呼ぶほどの競艇の名勝負は知っておいて絶対に損のないものです。
競艇を語るなら外せない名勝負7選を紹介!
老若男女、競艇をやる人ならこの名勝負を知っておけば話題に入れる!という位に有名且つ、劇的な勝負をご紹介いたします。
知ってるよ!というものもあるかもしれないですが、もう一度見ても面白い!というのが名勝負なんですよね。
競艇史に名を刻んだ賞金王決定戦!中道vs植木の戦い
競艇を語る上では避けて通ることが出来ない、レジェンドの二人であるマジシャン・中道善博と不死鳥・植木通彦による年末賞金王決定戦で繰り広げられた頂上決戦の素晴らしき激闘は見ものでした。
この名勝負はいつのレース?
1995年12月21日から住之江競艇場で開催された第10回賞金王決定戦の12月24日に行われた優勝戦での一幕です。
名勝負の戦士たち!レーサー一覧
1号艇 中道善博 ゼンパク・マジック
2号艇 野中和夫 モンスター
3号艇 烏野賢太 波乗り賢太
4号艇 松井繁 絶対王者
5号艇 植木通彦 不死鳥(艇王)
6号艇 熊谷直樹 北斗のヒーロー
いずれも1995年賞金王決定戦競争に優出し、早々たるニックネーム(キャッチフレーズ)を持ったトップレーサー達です。
名勝負の見どころ
1号艇中道は前年賞金王優勝者ということで、連覇のかかる一戦、対する植木はSG3勝目を年末賞金王決定戦で成し遂げられるか?がかかった大一番でした。
レース結果
1号艇で1コース進入が容易な中道に対し、植木は5号艇ということでやや不利な様相から、奇襲の2コース進入を決める。
1マークでまくりを放ちますが、中道がこれを受け止め、2マークでは中道が流れたことで植木が差し返しに成功するも、その後ターンマークの度に先頭が入れ替わるという大接戦を繰り広げました。
常にぴたりと併走し、ターンでダンプが発生したりとヒヤリとするシーンもありつつ、一体どちらが勝つのか?と手に汗握る展開となりました。
二人はそのまま併走でゴールをしました。
1着5号艇植木、2着1号艇中道、タイムは僅か0.1秒差で植木が賞金王を制することになりました。
大ベテランの中道を植木が倒すという劇的な戦いは、ここで終わりはしませんでした。
史上初!賞金2億円レーサーの誕生
前年の賞金王対決でしのぎを削った中道と植木でしたが、翌年の1996年も賞金ランキングでデッドヒートを繰り広げます。
この名勝負はいつのレース?
1996年12月20日~12月23日に戸田競艇場で開催された第11回賞金王決定戦での優勝戦です。
名勝負の戦士たち!レーサー一覧
1号艇 古川文雄
2号艇 中道善博
3号艇 林貢
4号艇 植木通彦
5号艇 高山秀則
6号艇 安岐真人
1996年最強のレーサーを決める年末大一番にふさわしいメンツがそろい踏みしました。
名勝負の見どころ
やはり最も注目となったのは、昨年も対決した、中道VS植木の戦い。
トライアル初日、中道のマクリに植木が抵抗し大競り、植木は3着、中道は6着でした。
トライアル2日目は別々のレースでともマクリ1着、これにより、中道と植木のどちらが優勝しても史上初の2億円レーサーが誕生する優勝戦が実現する事になりました。
前年覇者の植木を今度は2連覇を阻止された中道が倒すのか?
そんな世紀の一戦となりました。
レース結果
2号艇中道が3コース、4号艇植木が4コースでセンターに並んで進入、植木が1マークで一気に内をマクり、1着に立つと、そのまま独走態勢で決着となりました。
ここから植木の艇王伝説が始まったと言っても過言ではないでしょう。
G1ヤングダービー!3艇の激化する争いに大興奮!
SGに次いでビッグタイトルとなるプレミアムGⅠの第3回ヤングダービーにて、丸野、遠藤、小坂の3選手が優出を争ってバチバチの激闘を繰り広げました。
この名勝負はいつのレース?
2016年9月20日から常滑競艇場で開催されたプレミアムGⅠ第3回ヤングダービー5日目の9月24日、第11R 準優勝線です。
名勝負の戦士たち!レーサー一覧
1号艇 松田大志郎
2号艇 和田兼輔
3号艇 小坂尚哉
4号艇 深谷知浩
5号艇 遠藤エミ
6号艇 丸野一樹
ここ最近名前が挙がることの多い若手の選手たちが集まった戦いでしたね。
名勝負の見どころ
30歳未満の若手選手を対象としたレースで、男女混合戦で行われました。
若手で争う戦いだったこともあり、優勝は誰になるのか?は非常に見ものでした。
中でも、遠藤エミは女性レーサーの中でもトップクラスの実力を持つ選手です。
1枠の松田大志郎の有利な牙城を優出に向けて諦めない各選手達が全力でぶつかり合う試合展開が最大の見どころとなっています。
レース結果
1号艇の松田大志郎が1コースで、1ターンマークを逃げで決めましたが、優出を手にする為の2着争いで3号艇 小坂尚哉、5号艇 遠藤エミ、6号艇 丸野一樹、デッドヒートを繰り広げることになりました!
遠藤と丸野はぴったりマークし合っての併走、そこに小坂が横やりを入れてのターンマークでの入れ替わりなど、凄まじい死闘を繰り広げた結果、1着が松田大志郎、2着が丸野となりました。
ちなみに、この後の優勝戦では、松田が1号艇で逃げて優勝し、丸野は6号艇で6着という結果に終わっています。
毒島(ぶすじま)が大活躍!GⅠ戸田グランプリ開設57周年記念
現在最強の競艇選手の一人とも言われている毒島誠を象徴するような見事なレースが見られたのが戸田グランプリでした。
この名勝負はいつのレース?
2014年2月20日から戸田競艇場で開催されたGⅠ戸田グランプリ開設57周年記念の2日目、2月21日の12R、ウインクDR 1800mでの一幕です。
名勝負の戦士たち!レーサー一覧
1号艇 桐生順平
2号艇 新田雄史
3号艇 毒島誠
4号艇 湯川浩司
5号艇 田村隆信
6号艇 平山智加
今をときめくトップレーサー達がひしめき合ったレースとなりました。
名勝負の見どころ
3号艇出場の毒島が枠なり進入となり、1号艇の桐生、2号艇の新田相手に1ターンマークでの勝負を仕掛けるところが最大の見どころになります。
レース結果
あまりにも華麗なまくりを魅せつけた毒島が1ターンマークで抜け出し、危なげないレース展開でぶっちぎりの独走で勝利を収めます。
決定打となったあのまくりは毒島だからこそできると言えたほどに、実に見事なものとなりました。
逃げ切りの神!フライング未消化90日も関係なし!GⅠ宮島63周年記念
正義のヒーローとも言われる瓜生正義の素晴らしきレースとも言えるGⅠ宮島63周年記念は外すことのできない名勝負の一つと言えます。
この名勝負はいつのレース?
2017年5月11日から宮島競艇場で開催されたGⅠ宮島63周年記念の最終日、5月16日の12R、優勝戦での一幕です。
名勝負の戦士たち!レーサー一覧
1号艇 瓜生正義
2号艇 池田浩二
3号艇 峰竜太
4号艇 桐生順平
5号艇 井口佳典
6号艇 坪井康晴
近年のスター選手たちがそろい踏みしたような堂々たる優勝戦となりました。
名勝負の見どころ
瓜生正義が優勝すれば生涯獲得賞金が20億円(艇界史上7人目)を突破するという大一番であり、いずれも2017年の賞金ランキングで名を馳せるであろうメンバー達によるG1優勝戦ということで、注目を集めました。
ただ、瓜生自身はフライングによる90日休みを控えていたことから、絶対に取りたいレースであったことは言うまでもありません。
レース結果
1号艇で枠なり進入の1コースとなった瓜生は、最高のスタートタイミングを切り、1ターンマークで頭一つ抜け出すと、その後他艇追随を全く許さず先頭を保持し、圧倒的な力量差を魅せつけての優勝となりました。
これにより、生涯獲得賞金が20億円を突破しましたが、2018年は出走数が足りず、前期で初めてのA1転落となってしまいました。
とはいえ、2018年7月からはしっかりとA1復帰を果たしています。
こんなのあり?!5艇転覆で不成立?!
名勝負ならぬ迷勝負とも言えるこのレースは、大きな返金騒動に発展する程の衝撃的なレースとなってしまいました。
この名勝負はいつのレース?
2017年12月23日から常滑競艇場で開催されたチケットショップ栄開設2周年記念競走の最終日、12月26日9Rの出来事です。
名勝負の戦士たち!レーサー一覧
1号艇 片山雅雄
2号艇 河野大
3号艇 山戸信二
4号艇 武田信一
5号艇 松田祐季
6号艇 原加央理
名勝負の見どころ
既に冒頭で触れてしまっていますが、なんとこのレースでは、6艇中5艇が転覆をしてしまうというとんでもないレース展開となってしまいます。
これにより、大半の舟券は返還対象の不成立になってしまうという事態に。
レース結果
4コース進入となった5号艇の松田がうちにけしかけ3号艇山戸、2号艇河野を巻き込んで転覆脱落をすると、更に制御不能となった1号艇片山が1ターンマークで4号艇武田を巻き込んで転覆してしまいます。
これにより、残されたのは6号艇の原加央理のみとなってしまい、決まり手恵まれで1着となりました。
配当となったのは、単勝6番440円と、複勝6番3030円で、残りの3連単、3連複、2連単、2連複、拡連複はそれぞれ不成立での等倍返金となってしまいました。
史上最悪!?全艇が非常識なフライング
ただフライングをする…というだけではなく、コンマ05以上の非常識なフライングをするというのはかなり稀なことではありますが、これが全ての艇で起きてしまったというのは前代未聞でした。
この名勝負はいつのレース?
2018年2月4日から宮島競艇場で開催された第3回スカパー!・JLC杯の2日目9R、ティータイム進入固定で起きた出来事です。
名勝負の戦士たち!レーサー一覧
1号艇 吉島祥之 A2
2号艇 原田智和 B1
3号艇 上村純一 A2
4号艇 山本修次 B2
5号艇 角山雄哉 B2
6号艇 河野主樹 B2
名勝負の見どころ
冒頭で触れていますが、全ての艇がフライングをしただけでなく、全員が非常識なフライングを起こしたことで大きな話題となりました。
レース結果
全艇非常識なフライングのスタートタイミングは以下のとおりです。
1号艇 吉島祥之 F.09
2号艇 原田智和 F.05
3号艇 上村純一 F.05
4号艇 山本修次 F.05
5号艇 角山雄哉 F.08
6号艇 河野主樹 F.19
当然、全てがレース不成立の返金となりました。
宮島競艇場悪夢の2日連続全艇フライング
2017年2月6日の5Rでまさかの2日連続全艇フライングが起きてしまいました。
1号艇 塚原武之 K0
2号艇 浜先真範 F.04
3号艇 鳥飼眞 F.04
4号艇 丹下健 F.05
5号艇 中村格 F.02
6号艇 畑竜生 F.03
またしても不成立レースとなり、宮島競艇場サイドとしては怒り心頭だったのではないでしょうか。
次レースは稀に見る遅いスタートタイミング
流石に2日連続フライングを起こしてしまっている事から、続く6R目は全艇慎重なスタートタイミングを切った事がわかります。
1号艇 坂本徳克 .24
2号艇 大澤普司 .33
3号艇 中田達也 .26
4号艇 岩川仁士 .29
5号艇 武田正紀 .27
6号艇 高橋正男 .31
こればかりはしょうがないのかもしれないですね(笑)
歴史に残る競艇の名勝負が生まれるのは今日かもしれない
レースの数だけドラマがある、それが競艇というものです。
SGやG1は注目も集まりますし人気レーサーが出場するので、沢山の人が舟券を購入し売上も高く、名勝負を見ることが出来る可能性は高いですが、頂上決戦だからといって決して名勝負となるか否かは別問題です。
一般レースだからこそ、全艇フライングや全艇出遅れによる不成立レースなどに遭遇することが出来るかもしれないのです。
最も、舟券を買っている人からすれば冗談じゃない!というものも多いかもしれませんが…
まとめ
動画で後から名勝負を見ることが出来る時代となっていますが、やはり何と言っても直接競艇場へ足を運んで、リアルでその瞬間を垣間見るのが最も楽しめると思います。
重賞レースのみならず、全てのレースにロマンがある…そんな思いで舟券を握りしめ、アツい一日を過ごしてみてはいかがでしょうか?